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慈恩弘国営業日報0080422
わたしの名前はランバラル。
数知れぬ死線をくぐりぬけてきた、
元ジオン公国の軍人だ。


宇宙世紀008 4月22日(火)

本日我が国は、
常連のララァ上等兵とイセリナさま旗下(きか)の
職場のみなさんによる
貸切営業となった。

予定時間の夕方6時前には、
お仲間の方はすでに店の前に集まりつつあった。

中にお入りいただくようお勧めすると、
いえ、ここで上官を待ちますとのことであった。

なかなか統制のとれた部隊である。


6時過ぎ、

ララァ上等兵、イセリナさまをはじめ、
部隊のリーダーの課長さんなど、
総勢8名がご入国された。

ララァ上等兵はあいかわらず美しく、
黄色の、ミニのニットスーツみたいな感じの装いで、
キュート&セクシー。

イセリナさまは、ドレープ感のあるひらひらのワンピースで、
裾からのぞく生足は、
戦いに疲れた兵士にとって、
希望となった。

この部隊は、
販売系の会社の一翼を担う、
課長さんをリーダーとするエリート部隊のようであった。

入国してすぐ、
課長さんがソロモン席のガチャポン戦記2を見つけ、
爽やかな笑顔で、
部下をなぎたおしはじめた。

結局、出国まで、
課長さんは、ほとんどこのゲームにはまることになる。

ララァ上等兵がわたしに紙袋をさしだした。
中を見ると、ケーキのようだ。

その場で開けさせてもらうと、
プリンには、
「シンデレララァぷりん」
ホールケーキには、
「ジークジオン」の文字が。

purin


cake


「シンデレララァぷりん」はともかく、
ジークジオンケーキは、
注文の際、かなり恥ずかしかったそうである。

ララァ上等兵の勇気と行動力に、
わたしは感動した。


本日の貸切営業が実現するために、
ララァ上等兵は努力をした。

わたしが、8人くらいメンバーを揃えてくだされば、
貸切営業させていただきますよ。と、
お伝えしたので、

ララァ上等兵は、
同志をがんばって集めたのだ。

そして、最後の8人目となったのが、
カウンターの隅で怯えている、
Y氏であったようだ。


Y氏は、ララァ上等兵の直属の部下のようである。

ララァ上等兵からできるだけ距離をおくように座り、
つねに警戒を怠っていない。

「どうされましたか?」とお尋ねすると、

口火を切ったのはララァ上等兵と、
イセリナさまであった。

「こいつ最低なんです。」
「もう、キモいんですよ。」

わたしには、柔和な感じの紳士に見えたので、
要領を得なかったが、
わたしは、たいして追及せず、
ご注文の料理を作り始めた。


皆はたくさん食べ、
たくさん飲んでくれた。


ララァ上等兵は、Y氏に酒をよくすすめた。
どうやらララァ上等兵には、
Y氏に対して、なにかしらの思惑があるようでもあった。


わたしの目の前に居る、
ララァ上等兵とイセリナさまは、
二人ならんでいると、
まるで美しい女豹がそこにいるようである。

猛獣どうしの戯れが、
我々には戦いに見えるように、

二人の会話も、はたから聞いていると、
本気でののしり合っているように聞こえる。

例えば、どちらかがトイレに立つと、

「あんた、最近おしっこ近すぎ。」
「うるさい。がまんして膀胱炎になるよりマシ。」

みたいな会話が大声で飛び交う。

そのくせ次の瞬間には二人で笑っている。

そんな二人からもっとも遠いカウンターの席へ移動したY氏は、
ララァ上等兵に、遠くからすすめられるまま、
美味しそうにワインを飲んでいた。


課長さんが二人目の部下を
ガチャポン戦記2でいじめている頃、
Y氏の酔いがまわってきた。

ララァ上等兵はこの期を逃すことはなかった。
それは、獲物を狩る一匹のライオンのごとき襲撃であった。

ララァ上等兵は、
一瞬の隙をついて、カウンターと壁の間にY氏を追い込むと、
あごに手をかけ、

「Myデスノート持ってるってほんと?」

「ああ、ごめんなさい。なんで知ってるん?
 誰?誰が言うたん。」

「あんたが言いふらしたんやろ。」

「ええ~そんな、誰にも言わんといてって
 言ったのに。」

ララァの襲撃を遠くから眺めているイセリナさまが笑う。


課長さんが部下をゲームで攻める。


「ランバラル大尉、聞いてくれる。
 こいつ、死んじゃえばいいランキングを
 ノートにつけてて、
 わたしが常に上位らしいんですよ。」

「わたしも上位らしいんです。」

イセリナさまが笑いながら言う。


フグ調理師の免許を持つ社員の方が、
杏仁豆腐とスープしか作らせてもらえなかった、
悲しい修行時代をうちあける。


「他に誰の名前が、その
 Myデスノートに書いてあるん?」

「そんなの言えるわけないじゃないですか。」

ララァ上等兵が立った姿勢で、
座っているY氏にキックを入れる。

そのわずかの間合いを利用して、
Y氏がララァ上等兵の脇をすりぬけ、
店のドアから外へ全力疾走で逃げ出した。

「バーカ」

「なんやと。」

ララァ上等兵が追う。

歩道の手前であっさりつかまり、
攻撃が加えられている。


わたしは、
国道を走る車のヘッドライトに浮かぶ、
時折、交錯しあう二人のシルエットを見ながら
ぼんやり思った。


ちょっと、うらやましいかもしれない。


みんなお腹が落ち着いてきて、
飲みモードになってきたころ、

2階からハモンが降りてきた。

ハモンは、ララァが大好きである。

すっかりろれつがまわらなくなってしまったY氏に
興味が無くなったララァ上等兵は、
ハモンと楽しそうに話をしていた。

楽しい宴の夜はふけてゆき、
お会計の時間となった。

わけもわからず、泣いているY氏を、
わけもわからず、課長が爽やかな笑顔で諭している。


500円ごとにハンコが押してもらえるスタンプカードのハンコは、
もちろん、ララァ上等兵のひとりじめである。

この日の売り上げは4万円強。
ララァ上等兵は、いっきに中尉に昇進した。


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本日のクルー
店長:ランバラル大尉、 オーナー:ハモン
捕虜:フラウボウ4号
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お好み焼き「慈恩弘国」
http://www.ms-06zaku.com/

2008/04/27 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
【国政だより第7号】2008年5月の営業日のお知らせ
2008年5月の営業日です。
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       03日(土)、04日(日)、05日(月)、06日(火)
09日(金)、10日(土)、11日(日)、
16日(金)、17日(土)、18日(日)、
       24日(土)、25日(日)、
       31日(土)、01日(日)、
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5月は、わたくしランバラルの右手の手術や、
フラウボウが休暇をとるので、
金曜が不規則です。

ご確認の上、遊びに来てやってくださいませ。


--------------------------------------------
上記以外の日でも、
本業が暇になりましたら、
開けます。

逆に、上記の営業日も、
本業が忙しくなりましたら、
あやしいです。
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開店時間の18:00~19:30分くらい入店の場合に限り
ご予約承ります。
お電話かメールにて、お申し込みくださいませ。

遅い時間のご予約は、
当日、 お越しの30分くらい前にお電話でご確認ください。
うまく席が空いてましたら、
確保しておきます。
--------------------------------------------
8名様以上くらいで、
貸切ご予約承ります。 (営業時間以外にて)
--------------------------------------------


国土が狭くてご不自由をおかけいたします。
ご容赦くださいませ。

お問い合わせ・確認のご連絡は、
075-693-9092(スタジオキャスト・中野新一)
nakano@ms-06zaku.com
までどうぞ。

(内閣府)
2008/04/25 | 【国政だより】 | コメント(15) | トラックバック(0) | page top↑
慈恩弘国営業日報0080420
わたしの名前はランバラル。
数知れぬ死線をくぐりぬけてきた、
元ジオン公国の軍人だ。


宇宙世紀008 4月20日(日)

今日も我が国は、
常連さんとなった、
ハマーンさま、ドレン大尉をはじめ、

たくさんの公国民でにぎわっていた。

なかには、遠路はるばる
フラナガン博士が足を運んでくれて、
あいかわらず物好きな研究に追われている
近況を報告してくれた。

そんななか、
あの男が現れた。

先日、たった一人でソーラレイを撃破した、
S二等兵である。

この御仁が先日たった一人で、
ソーラレイを撃破した猛者であることを
皆に紹介すると、
店には大きな拍手と歓声があがった。

すこし照れながら、
S二等兵は席に着いた。
そして、たいしてメニューを見ることもなく、
彼はおもむろに注文をした。



「ビグザム焼きを。」



「おお~!」
ひときわ大きな歓声が上がる。


「本気ですか?」

「そのつもりで来ました。」

「手加減はしませんよ。」

「もってこいです。」


ビグザム焼きは、
お好み焼き3枚ぶんと、
たこ焼きやら鶏肉やらを使う。

その質量は、3人以上を対象としており、
パーティーに特化した巨大な機体である。

「やらせはせん。やらせはせんぞ。」

わたしは全身全霊をこめて、
ビグザムを製造した。


しばらくして、工場からビグザムが出荷された。

その巨大な機体の出現に、
店が沸く。


S二等兵は右の足付近から戦いを挑んだ。

「その足の先の爪は、ミサイルになっていますよ。」

S二等兵は、
わずかに笑みを浮かべたが、
緊張の糸を切るには至らなかった。

例えるならば、
彼は飢えた一匹のケモノ。
ビグザムは、その前に立ちはだかる巨大な獲物だ。

食う者、食われる物の、
命を懸けた戦いが、
今、この古都京都の片隅のお好み焼き屋で、
繰り広げられているのだ。

そこには、余人の入る隙はどこにも無い。

S二等兵がビグザムを食べ進むとともに、
店の喧騒は静寂へと、徐々にとって代わっていった。


やがて戦いは終わりを迎える。
雌雄を決する両雄の戦いの果てに、
戦場に立っている事ができるのは、

ただ一人だ。

そこに居たのは、
ビグザムの足の骨を握り締め、
軟骨までしゃぶりつくしている。

S二等兵だった。


彼がその骨をトレイに置いた瞬間。
店に歓喜の声がこだました。

奇跡だ。奇跡が起こったのだ。
この小さな場末のお好み焼き屋で、
神が、その御業(みわざ)を見せたもうた。

ありがとう。S二等兵。
感動を、ありがとう。

店にいた、見知らぬ者どうしが、
心を一つにして、
その功績を讃えた。


感動したハモンがマジックをもってきた。

店内の我が国の旗に、
ぜひ今日の喜びを書き記してください。と
さしだす。


S二等兵は、笑顔で照れくさそうに、
旗にサインをした。


マジックのキャップをしめて、
それをわたしに差し出しながら、
彼はやはり照れくさそうに言った。

「パイロットネームというのは、どうしたらもらえるのでしょうか?」

「勝手に名乗ればいいのです。
 シャア大佐なんかは、もう2人もいますよ。」

「じゃあ僕は、赤鼻で。」


そう言い残して、
彼は出国していった。


閉店後、店の片付けが終わって、
国旗に書かれた、彼のサインを、
あらためて、わたしは見た。

「ソーラレイ、ビグザム、撃破。
 名も無き二等兵」。と、

書かれていた。


華々しい功績と対照的に、
一片の寂しさを感じるフレーズである。

一年戦争敗戦後、居場所を無くしてしまった、
名も無き兵士が、どれほどいるのだろうか。
そんな、切実な現実を感じさせるフレーズである。


よりどころを無くしてしまった全てのジオン公国民よ、
彼を見よ。

彼はもう、名も無き二等兵ではない。
胸をはって、堂々と、世界に我が名を知らしめた。



その名は、「赤鼻」だ。




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本日のクルー
店長:ランバラル大尉、
捕虜:フラウボウ2号、フラウボウ4号
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お好み焼き「慈恩弘国」
http://www.ms-06zaku.com/
2008/04/25 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(15) | トラックバック(0) | page top↑
慈恩弘国営業日報0080419
わたしの名前はランバラル。
数知れぬ死線をくぐりぬけてきた、
元ジオン公国の軍人だ。


宇宙世紀008 4月19日(土)くもり時々晴れ

昨日の営業は比較的落ち着いていた。
一時、5000件を越えるアクセスのあった我が国のサイトも、

今は、600件前後にとどまっている。

ブームとはこんなものか。と思いつつ、
フラウボウ2人体制で捕虜費がかさみ、
赤字となってしまった、
昨日の営業をふりかえった。


そんな事を、
今日の営業前にフラウボウ3号に打ち明けると、
「ちっ」というような返事が返ってきた。

このフラウボウ3号は、
3人いるフラウボウのなかでただ一人、
売り上げ5万円越えを経験していない。

我が国には、
一日の売り上げが5万円を越えたら、
「銀の皿」という、ちょっとお高いお寿司の出前をとって、
ごちそうしてあげる。というきまりがあった。


つい先日も、
なかなか忙しい日があったが、
売り上げ、49680円で、

この日もフラウボウ3号は、
「銀の皿」を逃したのだ。

そんな焦燥感からつい、
ソーラレイをお一人でお食べになった同胞に対して、

「もう少しいけるんじゃありませんか?」
「まだ余裕ありますよね」。などと、

つっこみを入れていたのかもしれない。

わずか数百円で「銀の皿」を逃したこの日、
フラウボウ3号は、
営業終了後、売り上げ結果を聞くと、頭を抱えて絶望し、
慟哭しながら床をころげまわっていた。


そんな、
「自分は一生、銀の皿にありつけない」。という
トラウマをかかえたまま、
開店の準備をしていたフラウボウ3号が、

外がさわがしい事に気が付いた。

なんと、我が国開店以来初となる、
営業前の行列ができていたのだ。

その数およそ8名、
2グループの方々であった。

しかも、開店直後の予約とお並びの方で、
ちょうど席が満席となり、
その後入国を希望された多くの同胞を、
お迎えすることができなかったのである。

この点においては、
非常に心が痛む思いである。

そこで本日から、
万難を排して我が国の国境までたどりついた証に、
我が国の住民票でもあるスタンプカードに、
赤いハンコ(通常は黒)を押してお渡しすることにした。


残念ながら入国のかなわなかった諸君。
まことに申し訳ない。
諸君がこの辺境の地を目指して、
いかなる困難を乗り越えやってきたのか、
想像に難くない。

なかには、
もう二度と来ることができない同胞もいただろう。
それを思うとまさに断腸の思いである。


かつて地球上の大部分を征服していた我が軍も、
今となっては、わたしの所有する、
わずか19坪のみとなってしまった。
収容人員にいたっては、
20人のみである。

1年戦争当時、
我が国の人口は1億5000万人である。

現在地球上に離散している同胞が、
ひとりも増減していなかったとしても、
我が国に収容できるのは、
わずか0.0000000013%だけなのだ。

つらいことではあるが、
これが敗北し、賊軍の汚名をきせられた、
ジオンの現実なのである。

どうか理解してほしい。


赤いハンコは、
そんな諸君の無念と、

人生なかばで倒れ、
ついに我が国の国境にたどりつくことなく、
散っていった多くの同胞の流した血の色だと
受けとめてほしい。



戦争においては、人の命はただの消耗品である。
命を奪う者、奪われる者、
そこには恨みも、打算も、何もない。
なんと意味のない殺し合いであろうか。

しかし、全ての命に人生があり、
その死には尊厳がある。

それは事実ではあるが、
そんな人間らしい感性がもてるのは、
平和の時代であるからにほかならない。

わたしはかつて、何人もの人の命を奪った軍人である。

平和な国とは、
戦争をしていない。あるいは、
戦争に手を貸していない国だと、わたしは思うのだ。

どんなに治安が悪かろうと、
独裁国家であろうと、
貧しい国であろうと、

戦争さえしていなければ、

前代未聞の凶悪犯罪でさえ、
社会はそれを受け入れ、
正義の価値観でこれを裁き、
人は生活を維持することができるからだ。


今日も混みあう店内において、
我が国の収容人数を越えてしまい、
フラウボウが申し訳なさそうに、
入国をお断りしていると、
何人もの同胞が自主的に席を詰め、席をゆずり、
強制送還寸前の同胞を自分の隣へよんだ。

パイプ椅子に座ったり、
座布団のないところに座ったり、
見ず知らずの者どうしが、
ぎゅうぎゅう詰めで混みあう中、
ジオン話に花を咲かせ、

小一時間たってようやく出てくるお好み焼きを、
もんく一つ言わず、
美味しそうに食べ、再会を約束し出国していった。


その様子を見て、わたしは思った。
かつてジオンが敗北したのは、
国力の差でも、ガンダムに翻弄された、
まずい戦略でも無かったのではないか。

もし、こんな人を思いやる気持ちが、
全宇宙に満ちていたら、

わたしたちは、武器をとるまでもなく、
勝っていたのではないだろうか。
それこそが、
平和を愛する市民の偉大な力だったのでは
ないだろうか。



今日、売り上げは50000円を越えた。
フラウボウ3号は、やはり、

「銀の皿~、銀の皿~」といって、
ころげまわって喜んでいた。


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本日のクルー
店長:ランバラル大尉、
捕虜:フラウボウ3号、フラウボウ4号
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お好み焼き「慈恩弘国」
http://www.ms-06zaku.com/




2008/04/20 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(17) | トラックバック(0) | page top↑
【国政だより第6号】ハマーンさま、ご降臨
慈恩弘国民のみなさんこんにちわ。
勤勉、勤労、健康は、
慈恩弘国全国民の義務です。


はじめに、


今月13日日曜、午後9時ごろ、
我が慈恩弘国に、

ハマーン・カーンさまが
ご降臨されました。

今回のご降臨の目的は、

かつてアクシズの勢力を束ね、
ネオジオンを掲げて、
ジオン公国の復活のために尽力された
ハマーンさまが、

このたびのランバラル大尉の、
ジオン公国復活を目的とした、
お好み焼き屋の旗揚げの知らせを受け、
加勢にこられたということです。


こころざしを同じくする、
両者の対面は今回で3度目ですが、
自分が実は、ハマーン・カーンであると表明されたのは、
はじめてだということです。


現在ハマーンさまは、
祇園方面にて、お惣菜屋さんを展開中で、
戦後、ドレン大尉とご結婚をされたようです。

また、常連の部下には、
シャリアブル大尉もおり、

ハマーンさまは、常にたくさんの、
元ジオン軍兵士の部下をしたがえて、
夜な夜な飲み歩いているという噂です。


この日も、
たくさんの部下を引き連れての
ご入国となりましたが、

松尾大社の寄合いで、
さんざんお酒を飲みまくった後らしく、

「わたし、きゅべれいに乗る、きゅべれい。おえっ。
 暑っ。
 やっぱり美味しいわ、ビグザムの足。
 あかんわ。
 絶対お前がシャリアブルなんて、認めんぞ。うっ。
 帰る。」

と、いって、
支払いもせず一人さっさと帰ってしまわれました。


残されたドレン大尉をはじめ、
およそ7人の部下は、
いつもの事とあきらめた様子で、

ラストオーダーがすぎた頃に、
協力してお会計を済まされました。

この日戦列に加わっていた、
シャリアブル大尉は、

「わたしはいつも自分の言いたいことを、
 半分も言えてない。
 あの時もそうだった。
 本当は、あんな怖い研究所なんか、
 行きたくなかったんだ」。

と、話していました。






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以上、宇宙世紀008年4月17日の
慈恩弘国国政だよりでした。
http://www.ms-06zaku.com/

(内閣府)
2008/04/18 | 【国政だより】 | コメント(1) | トラックバック(0) | page top↑
慈恩弘国営業日報0080413
わたしの名前はランバラル。
数知れぬ死線をくぐりぬけてきた、
元ジオン公国の軍人だ。


宇宙世紀008 4月13日(日)くもりのち雨

営業開始直後、
予約の電話が入った。

以前入国されたS二等兵からである。

7時30分ごろ、ご本人1名での入国の申請であった。
そしてメニューもご注文された。

「ソーラレイを1つ」。

「S二等兵さま、
 それはいくらなんでも無理でございます。
 ソーラレイは、
 焼きそば3人前、たこ焼き2人前の大質量をほこる兵器です。
 たったお一人で立ち向かうなんて、
 とうていかなうものではございません。」

「かまいません。
 できるかぎりがんばりますので。」

というお返事であった。

これ以上何も申し上げますまい。
男なら、たとえ負けるとわかっていても、
戦わなければならない時がある。

この御仁はその美学を心得ておられると見た。


このところ我が国は混んでいる。
本当にありがたい事だ。

そんな中、S二等兵は現れた。
外はいつのまにか雨脚が強くなっており、
すっかりびしょ濡れであった。

わたしはその姿に、
戦場へたどりついた武士の姿を見た。

彼はこの豪雨をものともせず、その艱難辛苦を乗り越え、
我が国の国境を目指してこられたのだ。
ただソーラレイと戦うために。


わたしの腹は固まった。
わたしも全力をもって、ソーラレイを発射させていただこう。

「受けてくだされ。
 ソーラーレイ、ゲルドルバ照準で発射!」

ソーラレイの出現に店が沸く。

カレーハウスCoCo一番屋がほこる大皿いっぱいに盛られた、
焼きそばとそれを囲むたこ焼き。
その重さ、1キロは軽く超えているはずだ。

全身で受け止めるS二等兵。


両者のせめぎあいがはじまった。
どこまでも続く、変化の無い焼きそば無限地獄。
常人ならすぐに飽きがくるはずだ。

しかしS二等兵は、
焼きそばを主食に、
たこ焼きをおかずに例えて、
この無限炭水化物スパイラルを突き進んだ。

生と死が交錯する、
その接点にむかって。



ナ)戦いは必ず終わりを告げる。

    店に拍手が沸き起こる。


ナ)それはつかの間の平和という夢なのかもしれない。

    歓喜のなか、S二等兵、立ちあがる。


ナ)願わくば、戦いこそ一時の悪夢であってほしい。

    S二等兵セリフ、「お勘定を」。


ナ)力もつ悪は邪悪。力なき正義は無力。サニー千葉のこの言葉が真実ならば。

    フラウボウ3号セリフ、「まだ余裕ですか?」。


ナ)S二等兵こそ、あの邪悪な光を食い尽くす。正義の使者なのかもしれない。

   S二等兵セリフ、「余裕は無いです。でも、まだいけます」。





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本日のクルー
店長:ランバラル大尉、 オーナー:ハモン
捕虜:フラウボウ2号、フラウボウ3号
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お好み焼き「慈恩弘国」
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2008/04/14 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(47) | トラックバック(0) | page top↑
【国政だより第5号】イセリナさま大量に発見。シャア大佐ご入国。ほか
慈恩弘国民のみなさんこんにちわ。
勤勉、勤労、健康は、
慈恩弘国全国民の義務です。


はじめに、


その行方が心配されていました、
イセリナ様が、

近所のスーパーマツモトの加工品コーナーに、
大量に並んでいることが確認されました。

その場で、
慈恩弘国暫定国王ランバラル大尉によって、
買い占められたということです。

確認されたのは、
伊藤ハム製の、
イセリナシャウエッセンバッハの原料です。

これは、
慈恩弘国暫定国王ランバラル大尉が、
ジャスコのキャンペーンで試食した、
伊藤ハム製のウィンナーが美味しかったので、
さっそくメニューに取り入れたところ、

次の週にはそのキャンペーンが終了しており、
対象の商品が店頭から姿を消し、
以降、原料の入手が困難になっていたものです。


今回仕入れに成功したのは、
伊藤ハム製、イセリナシャウエッセンバッハの原料6袋で、
あわせて36本になります。

大尉は、
「これでジオンは10年戦える」とコメントしましたが、

12皿ぶんにしかならず。

賞味期限の事もあわせて考えますと、
今月いっぱいが関の山であり、
この大尉の発言と現実の整合性をどうやってとればよいのか、
大尉のやること、なすことに反抗できない関係者は、
顔をみあわせています。




次に、

昨日4月12日土曜の、我が国の通常営業において、
ついに入国待ちの行列ができたということです。

入国待ちを行ったのは、
確か栃木県からお越しの2名さまと、
お連れの大阪の方と京都の方、4名からなる一個小隊。

そして、
東京からの出張の帰りに入国を希望された、
奈良県在住の方1名の、

あわせて5人です。


我が国は、
ラーメン屋さんみたいに、
席についてすぐ商品をお出しして、
食べてすぐ店を出るといった、
効率的なお客様の回転をまったく考えておらず。

製造にさんざん手間と時間のかかるモビルスーツ焼きの完成を、
混んでいるときは、小一時間もお待ちいただいた上、

さらに、そのお好み焼き1枚とビール1杯で、
心行くまでご滞在いただく事を旨としており、

お席がいつ空くのか、
また、営業時間内に入国ができるのか
保障できず申し訳ないので、
次回の越境を丁重にお勧めしたところ、

同胞の入国の意志は固く、
まだ肌寒い京都の夜空の下、
トラックや観光バスの騒音と排気に耐え、

ついには入国を果たされました。


こんなに情熱をもって必死に入国されたにもかかわらず、
出国の際には、大尉はすっかりその事を忘れ、
楽しいお話をかわしただけで帰してしまったということです。

このことについて議会では、
スタンプカードのハンコを、
1個くらい余分に押してあげればよかったのではと、
大尉に進言したところ。

「また今度ね」。と、

あしらわれてしまったと言うことです。




おしまいに、

きのう午後5時30分ごろ、

昼間に、団体様による貸切での営業をおこないましたが、
その際の「本日貸切」のふだを、
通常営業時間開始の寸前まで出したままにしており、

それを見た2人組みの男性が店のドアを遠慮がちに開けて、

「本日貸切なんですか?席2つほど空きはありませんか?」と
たずねて来られました。

この男性らは、
シャアアズナブル大佐とお付の武官で、
徳島から車で、
我が国への入国のためだけに来られたと言うことです。

その札は昼間の特別営業のもので、
夕方からは通常どうり営業することをお伝えしたところ、
大変お喜びになり、

営業開始の6時までの時間つぶしに、
近所の東寺を観光に行かれたということです。


大佐の戦時中のこだわりは今も健在で、
赤いシャアザクTシャツでの入国となりました。

車の運転は武官にまかせると言い、
大佐は生ビールを、
武官は子供ビールを飲みながら、
モビルスーツ焼きを楽しまれました。

すぐに店が混んできたので、
早々にお帰りになられましたが、

ランバラル大尉と、
再会の約束をかわしたということです。



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以上、宇宙世紀008年4月13日の
慈恩弘国国政だよりでした。
http://www.ms-06zaku.com/

(内閣府)
2008/04/13 | 【国政だより】 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
【国政だより第4号】イセリナさま消滅の危機
慈恩弘国民のみなさんこんにちわ。
勤勉、勤労、健康は、
慈恩弘国全国民の義務です。


さて、


2週間前にメニューに加わった、
イセリナシャウエッセンバッハが、
早くもメニューから消えようとしています。

慈恩弘国政府の発表によりますと、

ソロモン席やアバオアクー席など、
へき地の戦場への慰問で人気のメニュー
イセリナシャウエッセンバッハ450円が、

極太あらびきウィンナーの入手が困難になったため、
今週中にも
一時メニューから撤退する可能性があるということです。


このイセリナシャウエッセンバッハは、
慈恩弘国暫定国王である、
ランバラル大尉が、

仕入れの際立ち寄ったスーパー、ジャスコで、
群がる子供をおしのけ、
伊藤ハムのキャンペーン商品を試食した際、

「美味い。焼いて店で出そ。」

と発言し、
その場で安易に仕入れてメニューに加えたものの、
次の週には、伊藤ハムのキャンペーンは終わり、
ジャスコのウィンナーコーナーから
そのウィンナーが姿を消してしまいました。

昨日までに
再び店頭に並ぶことは、一度も無かったということです。


この問題に関して政府は、

ガルマ様がお隠れになったので、
イセリナ様もお隠れになるのだ。
これは愛だ。


とコメントしており、
あくまで食糧調達の無計画性にはふれず、
大尉のやることは、
なにもかも正しいという姿勢は、
今も、昔も、これからも、

変わる事はないでしょう。



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以上、宇宙世紀008年3月11日の
慈恩弘国国政だよりでした。
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(内閣府)
2008/04/11 | 【国政だより】 | コメント(15) | トラックバック(0) | page top↑
慈恩弘国営業日報0080410
わたしの名前はランバラル。
数知れぬ死線をくぐりぬけてきた、
元ジオン公国の軍人だ。


宇宙世紀008 4月10日(木)雨のちくもり

先日、
妻のハモンが青ざめてわたしに言った。

「ちょっとあんた、大変だよ。」

「なんだ。」

「さっきおもてで近所のおばあさんが話してたんだよ。」

「ばあさんだって話くらいするだろう。」

「何寝ぼけた事いってんだい。ええ?
 おばあさん達が今度うちに来るって!」

「何だって?」

「こんなとこにお好み焼き屋さんができたんだねぇ、
 今度行かんとあかんねぇ。って、
 二、三人で話してたんだよ。」


「・・・・・・・・。」


「どうするんだよ、あんた。」


「・・・・・・・・。」


「ねぇあんた、聞いてるのかい。」

「よし、普通のお好み焼き屋さんのふりをしよう。」

「何いってんだい。
 うちの座苦焼きや怒無焼きなんて、
 どう見たって、食べ物で遊んでるとしか
 思えないじゃない。

 それにありゃあね、
 東寺の檀家さんだよ。
 うちの看板に、弘法さまの国なんて書いてあるもんだから、
 勘違いしてるんだよ。

 どうすんだよあんた。
 おばあさんたちが気の毒だよ。」

「大丈夫だハモン。
 ザビ家に近い生活をさせてやるから、
 心配するな。

 おばあさんたちの夢をこわさなければいいんだろう。

 たとえばおばあさんたちが、
 座苦焼きを注文するとする。
 出てきた珍妙なお好み焼きを見て、
 きっとおばあさんはこう言うはずだ。」

「これは何ですか?」とな。

「するとわたしはこう言うんだ、
 これは座禅の苦しみから悟りの境地にいたる、
 世にもありがたいお好み焼きです。
 ためしに椅子の上で座禅を組んでお召し上がりに
 なってみてください。とな。」

「それで。」

「食べ終わった後、
 どうですか?何か悟られましたか?と聴く。
 何も。とお答えになられたら、

 修行が足りません。またのお越しを。と言い、
 なにかしら脳裏に浮かんだら、
 それはそれで良し。

 どうだ。」




「あんた、それでいいのかい。」



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本日のクルー
店長:ランバラル大尉、 オーナー:ハモン
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お好み焼き「慈恩弘国」
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2008/04/10 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(16) | トラックバック(0) | page top↑
【国政だより3号】最終決戦兵器となるか希望の光
080410



慈恩弘国民のみなさんこんにちわ。
勤勉、勤労、健康は、
慈恩弘国全国民の義務です。


さて、


慈恩弘国政府の発表によりますと、
このほど、最終決戦兵器となる大型の新兵器、

「ソーラレイ」の開発に成功したということです。

この「ソーラレイ」の威力は、
質量に換算すると、
焼きそば3人前、
たこ焼き2人前に相当するということです。

尚、現在は、
近所のカレーハウス、CoCo一番屋で、
お皿が一つしかわけてもらえなかったので、

店内1発かぎりの発射となります。

しかし今日までに、
すでに2発、ゲルドルバ照準で発射された事が
確認されています。



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以上、宇宙世紀008年4月7日の
慈恩弘国国政だよりでした。
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(内閣府)
2008/04/09 | 【国政だより】 | コメント(0) | トラックバック(1) | page top↑
慈恩弘国営業日報0080408
わたしの名前はランバラル。
数知れぬ死線をくぐりぬけてきた、
元ジオン公国の軍人だ。


宇宙世紀008 4月8日(火)晴れのちくもり・時折強風


連邦軍の完全統治下となった地球の
日本国経済産業省の北畑隆生事務次官が昨日の記者会見で、

省エネに優れた電球型蛍光灯の普及拡大を目指すため、
白熱電球の生産を2012年までに
原則中止するよう電気器具メーカーに要請する方針を明らかにした。


今からおよそ30年前。

一部のブルジョア階級と
政府高官が優先的に居住する地球から、
なかば追い立てられるように、
宇宙移民させられた、
我らスペースノイドが、

新天地となるはずだった、
スペースコロニーでも、
差別的な待遇をもって政府に管理されていた。

わたしは、
父、ジンバラルや同志ジオンズムダイクンらと共に、
ジオニズムの啓蒙活動に参加し、

宇宙移民の自由と権利を求めて、
立ち上がった。

政治運動はやがて革命となり、
世界は、
当初のわたしたちの思いとは裏腹に、
戦争へと突き進んだ。


もう誰もとめる事のできない強大な流れだった。
デギン公でも、
ギレン閣下でさえ、
あの時代の流れにあらがうことは
できなかっただろう。


もしあの時、
連邦政府に宇宙移民に対する、
人権的配慮があれば。

貧困者の生活に、
光と食べ物があれば。

戦争は無かったかもしれない。



そして現在。

赤貧にあえぐ、
我が国の玄関先の電灯は、
もちろん白熱球だ。

1個70円の大切な光である。


たとえその寿命は短くとも、
熱く、まばゆく輝くその一生には、
蛍光灯には出せない、
エネルギーがある。

生活を照らす灯かりとは、
ただそこらへんを照らせばよいと言うものではない。

夜の闇の恐怖から救ってくれる、
暖かい、希望の光でなければならないのだ。


かつて、
偽の大地に我らを追い立てたように、

それらしい高価な代替品を国民に押し付け、
政府の面目をたもとうとするやり方は、

あの凄惨な一年戦争からの学びが
なにも無かったとしか言いようが無い。


あ~あ、やっぱり人類は、
我ら優良種によって
支配されなければならなかったんだよね。



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本日のクルー
店長:ランバラル大尉、
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お好み焼き「慈恩弘国」
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2008/04/08 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(14) | トラックバック(0) | page top↑
慈恩弘国営業日報0080407
わたしの名前はランバラル。
数知れぬ死線をくぐりぬけてきた、
元ジオン公国の軍人だ。


宇宙世紀008 4月7日(月)くもり


昨夜は店を閉めて、
懐かしい友人たちと飲んだ。

永く仕事をした職場が閉鎖されるため、
そこで共に学び、働いた仲間と
久しぶりに集まって語りあったのだ。

その場はちょっとした同窓会になり、
惜別の憂いはどこにも無かった。
皆、それぞれ元気だったからだ。

この場所が無くなっても、
わたしたちはいつでも集まれる。
仕事ができる。
わたしたちの関係は、
なにも変わらない。

そんな自信にあふれていた。



元モーニング娘の加護ちゃんが、
芸能界に復帰したがっていると話題になっている。

YouTubeでひさしぶりに、
ハッピーサマーウェディング(LIVE)を観た。

http://www.youtube.com/watch?v=oTJHwFD5ThI&feature=related


わたしは深く椅子に腰掛け、
とめどなく流れる涙を、
とめることができなかった。


ゴマキ がいる。
中沢さん がいる。
辻ちゃん がいる。
ナッチ がいる。
矢口 がいる。

大きな先輩の奥で、
加護ちゃんが、       歌っている。



歌はその形を一瞬もとどめない。
二度と戻らない時間そのものだ。

このまぶしく、エネルギーにあふれたステージも、
今はどこにも存在しない。

しかし、共に戦った仲間との友情は永遠である。
仲間が集えば、
そこはいつでも帰る場所だ。

加護ちゃんがもどりたいのは、
芸能界でも、あのまぶしいステージでもなく、
仲間の中なのではないか。



かつてわたしにも、
生死をともに誓った仲間がいた。

アコース、コズン、そして、
クランプ。


わたしはどこまでも続く空を見上げるたびに想う。
おまえ達は今、

何処にいるのだ。
元気でやっているのか。

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本日のクルー
店長:ランバラル大尉、
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お好み焼き「慈恩弘国」
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2008/04/07 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(2) | トラックバック(0) | page top↑
慈恩弘国営業日報0080404
わたしの名前はランバラル。
数知れぬ死線をくぐりぬけてきた、
元ジオン公国の軍人だ。


宇宙世紀008 4月4日(金)晴れ


我が国の存在が、
いっきに世界中の知るところとなった。

4月1日のエイプリルフールには、
世界中で嘘が頻発する。
多くのメディアが洒落のきいた嘘を競い合う。

そんなエイプリルフールのジョークのひとつとして、
我が国の存在が紹介されたようである。

連邦軍の支配する、
この現代の日本において、
我らジオン公国の存在は、
すでに前世紀の伝説となっている。

まさかジオン軍の占領地が京都に存在するとは
思いもよらなかったようである。


しかし、その存在が、
嘘や幻で無いことを、世界が知るために、
そう時間は必要なかったようである。

この3日間、
わたしのjpg画像を貼り付けただけの、
ぺらんぺらんのサイトに、
連日5000件を超えるアクセスが集中している。

gooランキングでも、
ついにランキング順位の数字がつけてもらえるようになった。
http://ranking.goo.ne.jp/keygraph.php?kw=%BB%FC%B2%B8%B9%B0%B9%F1&IMG.x=40&IMG.y=11


そのせいか、
昨日は怒涛の忙しさであった。

大阪の会社のご同僚4人で、
はるばるお越しになられたり、

いきつけのヘアーサロンで話題になって、
こられた方もいた。

また、東京のとある会社の社内で話題になって、
京都に出張が決まっていた方が、
社を代表して偵察の任務を命じられ、
お越しになられた。

しかもこの方の会社の用事は、
朝の11時に終わったそうである。
開店のだいぶ前から我が国の国境付近をうろうろされておられた。



今日はフラウボウ4号の本格デビューの日である。
フラウボウ4号は、飲食店でのアルバイト経験があり、
新人とはいえ、
たいへんよく働いてくれた。

しかし、アバオアクーを攻めるには数が少なすぎた。

奥の宴会用の座敷、
アバオアクー席の団体様の注文が入ると、
わたしたちはすぐにてんてこ舞いを踊った。

そんな時、
フラウボウ2号がなにやら手荷物をぶらさげてやってきた。

今日はお客さんです。
と言ったような気がするが、
すぐに、

手伝いましょうか?

と言いなおした。


かたじけない。

フラウボウ2号はすぐに制服に着替え、
手伝いをはじめてくれた。

しばらくして、
この春、優秀な成績をおさめ、
我が国を卒業した初代フラウボウが、
会社帰りに帰省してくれた。

しばらく見ないうちに、
大人の感じになっていた。

今日はお客さんです。
と言ったような気がするが、
すぐに、

手伝いましょうか?

と言いなおした。


かたじけない。


なんといいフラウボウ達だ。
今日は豪華絢爛。
フラウボウ3人体制での運営となった。


我が国には一つのスローガンがある。
それは、
「1日の売り上げが5万円越えたら銀の皿」。

というものだ。

これは、1日の売り上げが5万円を越えたら、
その日のメンバーに「銀の皿」という、
ちょっとお高い出前のお寿司をご馳走するというものである。

この日の売り上げはついにそれを超えた。


店に歓声が上がる。

しかし待てよ。
今日は5人で営業したので、
5人分の銀の皿。

たぶん前回同様ハモンが自分の好きなものを
好きなだけ5人分注文するだろう。


赤字だ。


最後のお客様が帰った後、
ハモンが奥から、
いちごのいっぱいのった、
かわいいケーキを持ってきた。

フラウボウ2号が
新人フラウボウ4号のために焼いてきたもので、
ホールの半分を、
私たちにわけてくれたのだという。

聞けば、
今日は、フラウボウ4号の誕生日だったそうだ。

フラウボウ2号は、
店にお客さんのふりをしてやってきて、
親友である、フラウボウ4号の誕生日を、
このケーキで祝ってやるつもりだったのだ。

わたしはそんな事にはまったく気づかず、
あわただしい誕生日にしてしまった。


3人のフラウボウ達の優しさを想いながら、

わたしはそのケーキをいただいた。




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本日のクルー
店長:ランバラル大尉、 オーナー:ハモン、
労役:初代フラウボウ、フラウボウ2号、フラウボウ4号
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お好み焼き「慈恩弘国」
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2008/04/05 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(15) | トラックバック(0) | page top↑
慈恩弘国営業日報0080403
わたしの名前はランバラル。
数知れぬ死線をくぐりぬけてきた、
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宇宙世紀008 4月3日(木)晴れ


あの一年戦争から、
もう30年近くの時が流れ、
わたしも40歳になった。

そう考えると、
戦時中のわたしは、
10歳そこそこである。

当時の記録映像を見ると、
むしろ今より老けてみえる。

戦争とは、
かくも人の風貌を変えてしまうのか。
過去において、
10代の初陣の例が無かったわけではない。

それは木馬の連中も同じであった。

後から知ったのだが、
木馬の艦長は、
19歳というではないか。

30歳くらいだと思った。


わたしが入っている京都芸術家国民健康保険組合には、
貧乏で不摂生な芸術家のために、
ジャスト検診というサービスがある。

いわゆる人間ドックだ。

30歳や40歳ちょうどで
無料で受けられる。

もう、永く戦場をはなれ、
すっかり体がなまってしまった。
高血圧や糖尿が心配である。
ハモンの強いすすめもあり、
明日受けてみることにした。

そのため、
いつもは金曜の午前中にする仕入れを、
今日のうちにすることにした。


わたしが、ロードと呼ぶ仕入れのルートのひとつに、
ジャスコがある。

ジャスコでは、シャア専用ザク焼きソースや、
豆腐などを仕入れる。


最近ハモンに言われて気づいたのだが、
わたしはよくジャスコで赤ん坊ににらまれる。


今日もにらまれた。

エレベーターで、
それまでごきげんで足をぴんぴんさせていた赤ん坊が、
ぴたっと止まって、
ベビーカーの中から見上げるようにして、
キビシイ視線をわたしになげかける。

あるいわ、
母親の肩越しに、
わたしをにらむ。

母親どうしが楽しくおしゃべりをしているときも、
抱かれている赤ん坊は、
わたしを無言でにらむ。



なぜだ。



わたしがおまえに何をした。
そんな目でわたしを見るな。
いや、教えてくれ。
なぜわたしをにらむんだ。

おまえには、
わたしの罪が見えるのか。
ジオンの野望が怨霊のように見えるのか。


敗戦からおよそ30年。

その歳月をもってしても、
わたしの心と体に染み込んだ返り血は、
洗い流すことができないというのか。


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本日のクルー
店長:ランバラル大尉、
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2008/04/03 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(15) | トラックバック(0) | page top↑
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