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慈恩弘国営業日報0080419
わたしの名前はランバラル。
数知れぬ死線をくぐりぬけてきた、
元ジオン公国の軍人だ。


宇宙世紀008 4月19日(土)くもり時々晴れ

昨日の営業は比較的落ち着いていた。
一時、5000件を越えるアクセスのあった我が国のサイトも、

今は、600件前後にとどまっている。

ブームとはこんなものか。と思いつつ、
フラウボウ2人体制で捕虜費がかさみ、
赤字となってしまった、
昨日の営業をふりかえった。


そんな事を、
今日の営業前にフラウボウ3号に打ち明けると、
「ちっ」というような返事が返ってきた。

このフラウボウ3号は、
3人いるフラウボウのなかでただ一人、
売り上げ5万円越えを経験していない。

我が国には、
一日の売り上げが5万円を越えたら、
「銀の皿」という、ちょっとお高いお寿司の出前をとって、
ごちそうしてあげる。というきまりがあった。


つい先日も、
なかなか忙しい日があったが、
売り上げ、49680円で、

この日もフラウボウ3号は、
「銀の皿」を逃したのだ。

そんな焦燥感からつい、
ソーラレイをお一人でお食べになった同胞に対して、

「もう少しいけるんじゃありませんか?」
「まだ余裕ありますよね」。などと、

つっこみを入れていたのかもしれない。

わずか数百円で「銀の皿」を逃したこの日、
フラウボウ3号は、
営業終了後、売り上げ結果を聞くと、頭を抱えて絶望し、
慟哭しながら床をころげまわっていた。


そんな、
「自分は一生、銀の皿にありつけない」。という
トラウマをかかえたまま、
開店の準備をしていたフラウボウ3号が、

外がさわがしい事に気が付いた。

なんと、我が国開店以来初となる、
営業前の行列ができていたのだ。

その数およそ8名、
2グループの方々であった。

しかも、開店直後の予約とお並びの方で、
ちょうど席が満席となり、
その後入国を希望された多くの同胞を、
お迎えすることができなかったのである。

この点においては、
非常に心が痛む思いである。

そこで本日から、
万難を排して我が国の国境までたどりついた証に、
我が国の住民票でもあるスタンプカードに、
赤いハンコ(通常は黒)を押してお渡しすることにした。


残念ながら入国のかなわなかった諸君。
まことに申し訳ない。
諸君がこの辺境の地を目指して、
いかなる困難を乗り越えやってきたのか、
想像に難くない。

なかには、
もう二度と来ることができない同胞もいただろう。
それを思うとまさに断腸の思いである。


かつて地球上の大部分を征服していた我が軍も、
今となっては、わたしの所有する、
わずか19坪のみとなってしまった。
収容人員にいたっては、
20人のみである。

1年戦争当時、
我が国の人口は1億5000万人である。

現在地球上に離散している同胞が、
ひとりも増減していなかったとしても、
我が国に収容できるのは、
わずか0.0000000013%だけなのだ。

つらいことではあるが、
これが敗北し、賊軍の汚名をきせられた、
ジオンの現実なのである。

どうか理解してほしい。


赤いハンコは、
そんな諸君の無念と、

人生なかばで倒れ、
ついに我が国の国境にたどりつくことなく、
散っていった多くの同胞の流した血の色だと
受けとめてほしい。



戦争においては、人の命はただの消耗品である。
命を奪う者、奪われる者、
そこには恨みも、打算も、何もない。
なんと意味のない殺し合いであろうか。

しかし、全ての命に人生があり、
その死には尊厳がある。

それは事実ではあるが、
そんな人間らしい感性がもてるのは、
平和の時代であるからにほかならない。

わたしはかつて、何人もの人の命を奪った軍人である。

平和な国とは、
戦争をしていない。あるいは、
戦争に手を貸していない国だと、わたしは思うのだ。

どんなに治安が悪かろうと、
独裁国家であろうと、
貧しい国であろうと、

戦争さえしていなければ、

前代未聞の凶悪犯罪でさえ、
社会はそれを受け入れ、
正義の価値観でこれを裁き、
人は生活を維持することができるからだ。


今日も混みあう店内において、
我が国の収容人数を越えてしまい、
フラウボウが申し訳なさそうに、
入国をお断りしていると、
何人もの同胞が自主的に席を詰め、席をゆずり、
強制送還寸前の同胞を自分の隣へよんだ。

パイプ椅子に座ったり、
座布団のないところに座ったり、
見ず知らずの者どうしが、
ぎゅうぎゅう詰めで混みあう中、
ジオン話に花を咲かせ、

小一時間たってようやく出てくるお好み焼きを、
もんく一つ言わず、
美味しそうに食べ、再会を約束し出国していった。


その様子を見て、わたしは思った。
かつてジオンが敗北したのは、
国力の差でも、ガンダムに翻弄された、
まずい戦略でも無かったのではないか。

もし、こんな人を思いやる気持ちが、
全宇宙に満ちていたら、

わたしたちは、武器をとるまでもなく、
勝っていたのではないだろうか。
それこそが、
平和を愛する市民の偉大な力だったのでは
ないだろうか。



今日、売り上げは50000円を越えた。
フラウボウ3号は、やはり、

「銀の皿~、銀の皿~」といって、
ころげまわって喜んでいた。


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本日のクルー
店長:ランバラル大尉、
捕虜:フラウボウ3号、フラウボウ4号
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お好み焼き「慈恩弘国」
http://www.ms-06zaku.com/




2008/04/20 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(17) | トラックバック(0) | page top↑
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