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慈恩弘国営業日報0080913
わたしの名前はランバラル
数知れぬ死線をくぐり抜けてきた
ジオン公国の元軍人だ。

宇宙世紀008年 9月 13日 晴れ


今日も、全国ジオン国民期待の新人、
フラウボウ5号の勤務となった。

昨日の営業でも、
今や名物となりつつある、
見事なウーロン茶こぼしを披露し、
みんなの期待に応えてくれた。

終わってみれば、
なんとウーロン茶がワンケース、
24本が空になっていた。

我が国に一晩で訪れてくれる同胞は、
せいぜい、2、30人である。
そのほとんどが、
フラウボウ5号のウーロン茶こぼし見たさに、
オーダーしたようだ。


それでも、
昨日の営業終盤になってフラウボウ5号は、

あらかじめウーロン茶のボトルの栓を開けて
お運びするのではなく、

お客様のところへ持っていってから、
詮を開ければいいという事実に気が付き、
同時に9本オーダーされたお客様のところへも、
無事お運びすることができた。


またひとつ賢くなってしまった5号に、
わたしは一抹の寂しさを覚えた。


今日は、
開店してしばらくは、
お客様がいらっしゃらず、
フラウボウたちはおしゃべりにふけり、
わたしはギターを弾いて
でたらめな歌を歌っていたものの、

7時ごろになると、
店は満席になった。


午後8時すぎ、
店の忙しさがピークにさしかかった時、
わたしの左後方で、


ぼかーーん。


という爆発音がした。

私が、
「敵襲!」と叫んで振り返ってみると、


5号がマスタードの大瓶を割っていた。


すぐに手を出そうとする5号を、
3号が静止した。

「この国の憲法。
 ガラスを割った人は自分でかたづけない。
 ガラスを割った人は動揺してるからね。
 怪我するといけないから。」

いつもおちゃらけている、
3号らしからぬお姉さんのような発言。

この瞬間3号は、きっと自分が大好きになっていたはずだ。
3号はすぐに手際よく、
割れたマスタードの瓶をかたづけた。

こういう自信満々な時の3号は、
必要以上にちゃんとした自分を発揮する。

「大尉。イセリナ・シャウエッセン・バッハのマスタードは
 どうしましょう?」

そう聴いてきた3号にわたしは、

「要らぬ。
 お客さんはウィンナーが食べたいのだ。
 マスタードはわたしが勝手にサービスで付けているだけだ。
 サービス終了。」

それぞれのクルーが自分の仕事を再開した。

わたしは、この件はこれで解決したと思っていた。


しばらくして5号が目に入った時、
なにやらしょんぼりしてたこ焼きを焼いている。

「5号。どうしたのだ。しんどいのか?」

「はぁ、胸が痛くて。」

「胸が痛い?調子が悪いのか?」

「さっき割ったマーマレードの瓶の事が・・・」

「気にするな。俺も割った。
 みんなコップやらなにやら壊しているんだ。
 狭いし、忙しいし、仕方が無い。
 くよくよするな。
 で、マーマレードって何だ?」

「マーマレードじゃないですね。
 何でしたっけ?
 あれ?どうしてもマーマレードが出てくる。
 マ、マ、マド、マードマート?」

「はっはっは。
 お前が割ったのは、
 マドモアゼルだ。」

「あ、そうでした。
 マドモアゼルの瓶を割ってしまって、
 胸が痛いです。」

「もう忘れろ。
 どうしようもない事を考えても
 どうしようもないだろう。
 目の前の仕事に集中するのだ。
 マドモアゼルの事は、もうおしまい。」

「はい。」

そう返事をしたものの、
5号の顔はどこか沈んだままであった。


閉店後、
5号の焼いたたこ焼きをみんなでつまみながら
談笑をしていると、
なんとなく沈んでいる5号に3号が気が付いた。

「どうしたん?
 マスタードの瓶の事、気にしてんの?」

「あ!マスタードだ。
 マスタードでした。
 マスタードがどうしても思い出せなくて、
 すぐマーマレードが出てきちゃって。
 そうです。
 マスタード割っちゃって、
 胸が痛いんです。

 大尉。マドモアゼルって何?」





「ちっ3号め。余計な事を。」





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本日のクルー
店長:ランバラル大尉、オーナー:ハモン
捕虜:フラウボウ3号、フラウボウ5号、マチルダさん
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お好み焼き「慈恩弘国」
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2008/09/15 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(15) | トラックバック(0) | page top↑
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