慈恩弘国営業日報0080422
わたしの名前はランバラル。
数知れぬ死線をくぐりぬけてきた、
元ジオン公国の軍人だ。


宇宙世紀008 4月22日(火)

本日我が国は、
常連のララァ上等兵とイセリナさま旗下(きか)の
職場のみなさんによる
貸切営業となった。

予定時間の夕方6時前には、
お仲間の方はすでに店の前に集まりつつあった。

中にお入りいただくようお勧めすると、
いえ、ここで上官を待ちますとのことであった。

なかなか統制のとれた部隊である。


6時過ぎ、

ララァ上等兵、イセリナさまをはじめ、
部隊のリーダーの課長さんなど、
総勢8名がご入国された。

ララァ上等兵はあいかわらず美しく、
黄色の、ミニのニットスーツみたいな感じの装いで、
キュート&セクシー。

イセリナさまは、ドレープ感のあるひらひらのワンピースで、
裾からのぞく生足は、
戦いに疲れた兵士にとって、
希望となった。

この部隊は、
販売系の会社の一翼を担う、
課長さんをリーダーとするエリート部隊のようであった。

入国してすぐ、
課長さんがソロモン席のガチャポン戦記2を見つけ、
爽やかな笑顔で、
部下をなぎたおしはじめた。

結局、出国まで、
課長さんは、ほとんどこのゲームにはまることになる。

ララァ上等兵がわたしに紙袋をさしだした。
中を見ると、ケーキのようだ。

その場で開けさせてもらうと、
プリンには、
「シンデレララァぷりん」
ホールケーキには、
「ジークジオン」の文字が。

purin


cake


「シンデレララァぷりん」はともかく、
ジークジオンケーキは、
注文の際、かなり恥ずかしかったそうである。

ララァ上等兵の勇気と行動力に、
わたしは感動した。


本日の貸切営業が実現するために、
ララァ上等兵は努力をした。

わたしが、8人くらいメンバーを揃えてくだされば、
貸切営業させていただきますよ。と、
お伝えしたので、

ララァ上等兵は、
同志をがんばって集めたのだ。

そして、最後の8人目となったのが、
カウンターの隅で怯えている、
Y氏であったようだ。


Y氏は、ララァ上等兵の直属の部下のようである。

ララァ上等兵からできるだけ距離をおくように座り、
つねに警戒を怠っていない。

「どうされましたか?」とお尋ねすると、

口火を切ったのはララァ上等兵と、
イセリナさまであった。

「こいつ最低なんです。」
「もう、キモいんですよ。」

わたしには、柔和な感じの紳士に見えたので、
要領を得なかったが、
わたしは、たいして追及せず、
ご注文の料理を作り始めた。


皆はたくさん食べ、
たくさん飲んでくれた。


ララァ上等兵は、Y氏に酒をよくすすめた。
どうやらララァ上等兵には、
Y氏に対して、なにかしらの思惑があるようでもあった。


わたしの目の前に居る、
ララァ上等兵とイセリナさまは、
二人ならんでいると、
まるで美しい女豹がそこにいるようである。

猛獣どうしの戯れが、
我々には戦いに見えるように、

二人の会話も、はたから聞いていると、
本気でののしり合っているように聞こえる。

例えば、どちらかがトイレに立つと、

「あんた、最近おしっこ近すぎ。」
「うるさい。がまんして膀胱炎になるよりマシ。」

みたいな会話が大声で飛び交う。

そのくせ次の瞬間には二人で笑っている。

そんな二人からもっとも遠いカウンターの席へ移動したY氏は、
ララァ上等兵に、遠くからすすめられるまま、
美味しそうにワインを飲んでいた。


課長さんが二人目の部下を
ガチャポン戦記2でいじめている頃、
Y氏の酔いがまわってきた。

ララァ上等兵はこの期を逃すことはなかった。
それは、獲物を狩る一匹のライオンのごとき襲撃であった。

ララァ上等兵は、
一瞬の隙をついて、カウンターと壁の間にY氏を追い込むと、
あごに手をかけ、

「Myデスノート持ってるってほんと?」

「ああ、ごめんなさい。なんで知ってるん?
 誰?誰が言うたん。」

「あんたが言いふらしたんやろ。」

「ええ~そんな、誰にも言わんといてって
 言ったのに。」

ララァの襲撃を遠くから眺めているイセリナさまが笑う。


課長さんが部下をゲームで攻める。


「ランバラル大尉、聞いてくれる。
 こいつ、死んじゃえばいいランキングを
 ノートにつけてて、
 わたしが常に上位らしいんですよ。」

「わたしも上位らしいんです。」

イセリナさまが笑いながら言う。


フグ調理師の免許を持つ社員の方が、
杏仁豆腐とスープしか作らせてもらえなかった、
悲しい修行時代をうちあける。


「他に誰の名前が、その
 Myデスノートに書いてあるん?」

「そんなの言えるわけないじゃないですか。」

ララァ上等兵が立った姿勢で、
座っているY氏にキックを入れる。

そのわずかの間合いを利用して、
Y氏がララァ上等兵の脇をすりぬけ、
店のドアから外へ全力疾走で逃げ出した。

「バーカ」

「なんやと。」

ララァ上等兵が追う。

歩道の手前であっさりつかまり、
攻撃が加えられている。


わたしは、
国道を走る車のヘッドライトに浮かぶ、
時折、交錯しあう二人のシルエットを見ながら
ぼんやり思った。


ちょっと、うらやましいかもしれない。


みんなお腹が落ち着いてきて、
飲みモードになってきたころ、

2階からハモンが降りてきた。

ハモンは、ララァが大好きである。

すっかりろれつがまわらなくなってしまったY氏に
興味が無くなったララァ上等兵は、
ハモンと楽しそうに話をしていた。

楽しい宴の夜はふけてゆき、
お会計の時間となった。

わけもわからず、泣いているY氏を、
わけもわからず、課長が爽やかな笑顔で諭している。


500円ごとにハンコが押してもらえるスタンプカードのハンコは、
もちろん、ララァ上等兵のひとりじめである。

この日の売り上げは4万円強。
ララァ上等兵は、いっきに中尉に昇進した。


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本日のクルー
店長:ランバラル大尉、 オーナー:ハモン
捕虜:フラウボウ4号
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お好み焼き「慈恩弘国」
http://www.ms-06zaku.com/

2008/04/27 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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