慈恩弘国営業日報0080607
わたしの名前はランバラル
数知れぬ死線をくぐり抜けてきた
ジオン公国の元軍人だ。

宇宙世紀008 6月07日 晴れ


昨日から我が国に新しいメニューが加わった。
「フラウボウの気まぐれ横道」だ。

これは、
捕虜のフラウボウが、
その日の気分で、そこらへんにあるものを、
適当に混ぜて作る飲み物である。

フラウボウは、
カクテルを作る知識も持ち合わせていなければ、
味見もしない。

まして、
彼女の家族は、我が軍の凶弾によって、
命を奪われたのだ、
いつ、その時の恨みを思い出して、
一服盛るかわからない。

そんな、スリルと冒険に満ち溢れた一品だ。


我が国には、
2号から4号までの、
3人のフラウボウがいる。

フラウボウが何人もいるのはおかしいと思う向きも
いらっしゃるだろうが。

我が国にとってフラウボウとは、
パタリロが支配する、
マリネラ王国の、タマネギ部隊のようなものと、
理解してもらえると嬉しい。


今日までに、
3人のフラウボウは、
それぞれの気まぐれ横道を一度は作った。


気がつくと、どこか一点を見つめ、
すぐ心の旅に出てしまう、
竹を割ったような性格の
フラウボウ2号は、
わりと透明感のあるものを作る。


いたずら好きで、要領がよく、
人のボケにつっこまずにいられない、
フラウボウ3号は、
色のはっきりしたものを作る傾向があり、


おおざっぱで、
笑顔と笑い声のかわいい
フラウボウ4号は、
なぜか濁り果てたものを作るようだ。


もちろん、
全てフラウボウの気まぐれで、
適当にやっているのだから、
いつもこういう結果になるとは限らないのだろう。

しかし、
3人とも、同じ制服を着ながらも、
それぞれ個性が違うところが
面白い。


わたしは、彼女達を、
時給で雇った飲食店の従業員だと思ったことは一度も無い。
彼女たちは、わたしにとって、
いや、お好み焼き慈恩弘国にとって、

お好み焼き慈恩弘国という世界を構築する
パーツだと考えている。


一年戦争で死んだ事になっているランバラルが、
実は生きていて、

この平和の時代の日本で、
銃をテコに持ち替え、
お好み焼き屋の親父となり、

今も、ジオン公国復活の志をもって、
戦費の調達と同胞の招集のため、
捕虜のフラウボウとハモンと、力をあわせて、
日夜、お好み焼きを焼き、戦い続けているという、

この珍妙な世界を完成させるために、
必要不可欠な役者。

それが彼女たちなのだ。


幸いな事に、
彼女達は一年戦争の事をほとんど知らない。
なので、それぞれが、
勝手なフラウボウを演じている。

わたしに、

「お出しする時に、ギレン兄さんからの贈り物です。
 と、言いながら出すのだ。」

と吹き込まれ、
わけもわからず、
ビグザム焼きを出したりしている。


お客様には大ウケだが、
本人はなぜウケたのか、
よくわかっていない。

いまだに、ア・バオア・クーが言えないし、
ゲルドルバ照準も最近ようやく覚えたくらいだ。
もちろん、意味はよくわかっていない。


しかし、それでいい。

わたしたちは、
アニメのキャラクターのモノマネをしているわけでもなければ、
ディスプレイでも無い。

生身の感受性をもった、
フラウボウやランバラルが、
ハプニングや迷走を繰り返しながら、
一生懸命生きている日々が綴られることによって、
やがて物語となるのだ。

だから、
現代を生きている、
等身大の感受性を持ち合わせている事のほうが、
ガンダムに詳しい事より
重要なのだ。


わたしは、
そんな彼女たちと共有している時間が、
とても楽しい。
願わくば、この物語を、
彼女たちと永遠に綴りたいと、いつも思っている。


季節は、やがて夏だ。
フラウボウ2号と4号は、
来年の今ごろはもういない。

1号が去年の春、巣立っていったように、
彼女たちもそれぞれ、
自分の人生を歩んでゆかねばならないのだ。

わたしの心は、
そんな惜別の繰り返しに、
今後どれくらい耐えられるのか自信が無い。
ならいっそのこと、
最初から誰も愛さなければよいと思うのだが、

わたしの場合、
そう割り切れるたちではないようだ。



戦時中、わたしは多くの部下を失った。
死んでいった部下たちを、
わたしは、うかつ者よばわりした事もあった。
今になって思えば、
本当にうかつだったのは、
死んでいった彼らではない。

取り返しのつかない別れに、
あまりに無頓着だった、
わたしだったのではなかろうか。

そのわたしのうかつさ故に、
部下達を蛮勇に駆り立て、
人生を終わらせてしまったのだ。


フラウボウたちとの別れと、
クランプやアコースたちとの別れの違いは、

今は会えなくても、何処かの空の下で、
同じ太陽を見、同じ月を見ている点だ。



お互い、
生きているという、
点なのだ。





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本日のクルー
店長:ランバラル大尉
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お好み焼き「慈恩弘国」
http://www.ms-06zaku.com/

お好み焼き「慈恩弘国」コミュ(登録=国民)
http://mixi.jp/view_community.pl?id=2975500

2008/06/07 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(3) | トラックバック(0) | page top↑
コメント
先日は我がネオジオンにお越し下さり、ありがとうございました。トイレの流れが悪くご不自由をお掛けしました。実は、配管の欠陥が判明し、大家が近いうちにトイレをタダで改装してくれることになり、なんちゃって洋式から本物ね洋式になります。我が国が、また一歩、理想国家に近づいたのでご報告申し上げます。
2008/06/08 03:17 | URL | ハマーン #- [編集] | page top↑
何だか真剣に涙なくしては聞けない話なのか、フラウボウがタマネギと同じだから涙なくしては聞けない話なのか、自分でも分かりませんが、大尉の熱意だけは嫌と言うほど伝わって来ますね。
さすが蒼き巨星の言葉には重みがあります!
2008/06/08 08:26 | URL | 霧狼 #mDfyvCs2 [編集] | page top↑
#ハマーンさま

先日は大勢でまかり越してしまいまして、
お手数をおかけいたしました。

アクシズのちゃんとした佇まいとお料理に、
おおいに勉強をさせていただきました。

元軍人の素人ながらも、人の口に入るものを扱う者として、
これからも精進を重ねたいと思います。

また、同行の者も皆、
楽しかったと申しております。
近いうちに再びお邪魔すると思いますので、

宜しくお願いいたします。




#霧狼さま

今となっては蒼き巨体。

言葉以上に体の重みが100キロ以上ございます。

つりあいがとれるのは、
まだまだ遠い先でございましょう。
2008/06/08 09:42 | URL | ランバラル #- [編集] | page top↑
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