お色気帝国物語 《第十一話/雌雄》
050830

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    仮面ライダー・オダギリジョーは改造人間である。

      彼を改造した中野新一お色気帝国は、
   世界征服をもくろむ悪のクリエイティブ集団である。

      仮面ライダーは人間の自由のために、
     今日も中野新一お色気帝国と戦うのだ!

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     《お色気暦 マイナス3年5月14日》




今の室井警視の話をきいてて、
ピンときたことがひとつあります。

わたしは、お色気帝国の桃に含まれている、
人間の脳に影響する、
植物異常タンパクの発見にばかり、
気をとられていましたが、

もうひとつ、
腑に落ちない事というか、
気になっていた事があったのです。

もちろん、お色気帝国の桃は、
植えてすぐ花を咲かせたり、
いったん花をつけると、
いつまでも次々に実をつけるなど、

それまでの桃の常識を覆すことばかりなのですが、

不思議な事に・・・・・・・、



すべて、雌株ばかりなのです。



雌株?
メスの木ばかりという事ですか?


そうです。

そもそも、
花をつける植物には2種類あります。

イチョウやヤナギのように、
同じ種類の木でも、
雄の木と雌の木があって、
それぞれが、雄花、雌花をつけて、受粉する、

雌雄異株(しゆういしゅ)
といわれるものと、


マツやスギのように、
同じ木に、雄花と、雌花をつけて、
その木だけで受粉できる、

雌雄同株(しゆうどうしゅ)
といわれるものです。


ちなみに、
わたしたちが普段口にしている桃は、
リンゴや柿とおなじく、
雌雄同株で、
雄株、雌株の違いはありません。


ところが、
お色気帝国の桃は、
ヤマモモに近く、
雌雄異株で、

雌株だけで実をつけるといった、
単為生殖はできないのです。



じゃあ、
雌株しかないのに、
なぜ実をつけているのですか?



風媒だ。
どこかに自生している雄株の花粉が風で飛んできて、
受粉したのでしょう。



教授。
読者がはなれていきます。
もう少し、
わかりやすく、楽しくお話願えますか?



無理だ。

本来こういった雌雄異株の場合、
雄株と雌株を交互に植えて栽培するのが常識だ。

連中の立場から発言すると、
日本中にお色気帝国の桃を浸透させるためにも、
そうするべきだ。
なぜそうしない。
なぜ受粉の確率のひくい、風媒にまかせるのか?

連中が園芸の素人だからか?

なぜバクチのような受粉でこんなにも桃がなるのか?

これもお色気帝国の桃の特徴だからか?

そもそも、自生しているはずの雄株はどこにあるんだ?
わたしは1本も見つけられていない。



教授。
そのお話、その、桃だけど雌雄異株だとかいうのは、
それは特別な事なのでしょうか?
われわれが中野総帥の足元にひれ伏す事と
関係があるのですか?


いや、それ自体は特別な事ではない。
だから見逃した。
植物の世界ではよくある事だ。
しかし、
先ほどの室井警視のお話だと、
今、日本の国家の中枢にまで、
お色気帝国の桃が影響しているというではないか。

政治、経済、文化、
すべてが連中の指定色、破廉恥なセクシーピンクに染まり、
その根幹に桃がある。

今の日本を動かし、支えているのは、
お色気帝国の桃ではないのか。



そうなりつつあります。




この状況において、

もし、わたしが1本も見た事がない、
桃の雄株を連中がにぎっていたらどうだ。

その雄株がわずかで、もしかしたら、
たった1本しかなく、
連中しか、それを自由にできなかったらどうだ。



そ、それは・・・・。



我々は、連中がもたらしたこの快楽の世界を維持するため、
連中の機嫌をとり、一生懸命お願いして、
花粉をわけてもらわなければ、ならないのではないか。

血が出るほど、額を地面にこすりつけてでも。



あ、あ、う、・・・・。


連中が正義になるというのか!


絶望だ・・・大きすぎる・・・。




ジョーくん、
銭形さん、
室井警視、
ルリ子さん。

われわれは全てにおいて、後手にまわっています。
中野総帥の逆謙譲語作戦は、やはり、
彼の言ったとおり、
彼のバックグラウンドを整備しただけなのだ。

彼の真の目的は世界征服。
夢でも誇張でもなく、そこへ突き進んでいるのです。



ちくしょー!どこまで巧妙なんだ、
どこまでが手の内なんだ。


ジョー、仮面ライダーだろ、
なんとかならねぇのかよ。



教授。
わたしはここにいる銭形くんと極秘裏に、
捜査本部とは別に、
お色気帝国捜査隊を編成しました。

警視庁機動隊、高速機動隊、わたくしの直属の捜査1課の精鋭と、
銭形くんの部下数名、あわせて101人と車両、
十分な装備をさせ、下に待機させています。

政治力によって、身動きがとれなくなってしまうまえに、
先手をうつべく決起した同志です。

すぐに出発できます。
もう間に合いませんか?



植畑さ~ん。
検温の時間ですよ~。

あ、はい。

じゃあ、ちょっとボタン外しますね~。


室井警視。
まんざら手後れともいえませんぞ。



植畑さん。
お食事はどうです?
ちゃんと食べれてますか?


あ、はい、おいしく・・・。

室井警視。
連中の最大の強みが、
案外最大の弱点になるかもしれません。


あー、少しお熱がありますね。



どういう事ですか?



1本だけ座薬いれときましょうね。
ちょっとお尻を上げてもらえます?



桃の雄株は、
1本または、
ちょっとしか存在しない可能性が高いという事です。

ひっ。


えっ。


ああっ。
つまり、その1本の雄株を燃やしちゃえば、
中野新一お色気帝国の桃は、
根絶やしになる可能性があるわけですね。



日本中の恨みをかう事になるが、
無いモノはしょうがあるまい。

1ヶ月もすればみんな正気にもどれるだろう。



じゃあ、植畑さん、
すこし眠くなるかもしれませんが、
お食事はきちんと食べてくださいね。



教授。
ありがとうございました。
銭形くん。全員に出動命令。
目的地は京都。
元NPO法人中野新一お色気帝国、代表中野新一ならびに、
共犯の職員の身柄の確保を任務とする。


ちょ、ちょっと待って、
僕もサイクロン号とりにいってくるから。


はは、ジョー。
後から追いついてこい。


室井警視。
あなたの正義は、
すでに国家の反逆になってるかもしれませんよ。



わかっています。
しかし、誰かがこの国を変えなければ
なりますまい。



ねぇ警視、銭形さんからは、
最近真相を知ったんだよね。
失礼。

ばりっ、びりびりびり。


こらっ!ジョー、警視に何をするんだ!
やめろ!


ジョー君、やめないか!
やめてくれ!
シャツをやぶらないで!


ああっ!

やめて!
やめてーーーー!


む、室井警視・・・・・・。



あ、やっぱり、
黒いブラジャー。
銭形さんとおんなじだ。




わたしだって・・・・・・・、
変わりたいんだ。
2005/08/30 | お色気帝国物語 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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