慈恩弘国営業日報0090209(ギャロップ損傷)
わたしの名はランバラル。
数知れぬ死線をくぐり抜けてきた
ジオン公国の元軍人だ。


宇宙世紀009 2月9日晴れ


わたしのギャロップがまた壊れた。


わたしのギャロップとは、
我がお好み焼き慈恩弘国の公用車両で、
マツダファミリアアスティナだ。

思えばこいつを手に入れたのは
いまから6年ほど前、
2003年7月の、よく晴れたある日のことだった。

ハモンと二人で散歩に出かけ、
最初に出会った10万円以下の車を
今日買うことにしよう。と、
思い立ったのがその日であった。

そして、
何件か中古車販売店をまわった。

当時の景気のよさも影響してか、
中古車とはいえ、
なかなか10万円以下というのは見当たらなかった。

そのうち、わたしは、
近所のマツダのディーラーにたどり着いた。

さすがディーラーである。
中古車とはいえ、
200万円台、100万円台の
ピカピカの車ばかりがならぶ。

ここには、さすがにわたしの捜し求める車はあるまい。
と想いながら、
展示場をぶらぶらしていると、

ひときわ目を引く、
みすぼらしい灰色の車を見つけた。
アスティナ

ウルトラ警備隊の車か、
バックトゥーザヒューチャーのデロリアンを連想させる、
奇異なデザイン。

「な、なんで今頃こんなところにこいつがあるんだ?」

「どうかしましたか?」

様子のおかしいわたしにハモンが尋ねた。

「こ、こいつはまちがいない。
 あの伝説の車だ。

 80年代に青春を過ごしたやつなら、
 知らない奴ぁいない。
 マツダのファミリアシリーズの異端児。
 アスティナだ。」

「アスティナ?新型の重モビルスーツの?」

「まあそんなところだ。

 いくらするんだ。
 いや、いくらでも買おう。
 
 うぉー。
 8万円!
 憧れのアスティナが8万円!
 そんなものか。
 そんなものなのか。
 
 時代が変わったようだな。

 すみませーん。
 これくださーい。
 現金で。」


当時、マクベにザンジバルをとりあげられたわたしにとって、
それは、一騎当千の出会いであった。
わたしはこのアスティナに、
ギャロップ(襲歩:しゅうほ、馬を操り全速力で襲撃するときの足並み)
となずけた。


とはいえ、
手に入れた当初のギャロップは、
まさに暴れ馬であった。

あらゆるところが、
老朽化、消耗、磨耗しており、
ひどい乗り心地であったことを覚えている。

キシリア閣下の息のかかった地球での車両の補給なのだ。
程度の悪さは覚悟の上であった。


幸い、ミッション車だったので、
クラッチ系統の乗り心地の悪さは、
運転の創意工夫でのりきった。

思えば、
マツダのディーラーで、マツダの車を買ったのである。
自分のところの車なのだから、
あと10万円上乗せして、
もう少し手入れした車を売ったほうが、

「10万キロ走った中古車でも、マツダの車はビクともしない。
 さすがゴックだ。」

なんて評判もたちそうなものだが、

「現状渡しでこの価格。」ということだった。

よくある話だ。


しかし、その後、
車検や修理でこのディーラーに立ち寄るたびに、
新車を買うようすすめられ、

わたしが、思いのほかしつこく、
何年もこの車に乗れば乗るほど、
営業マンもさらにしつこく、
DMや電話でセールスをかけてくる。

どうも、中古車を永く乗っているユーザーは、
新車を売り込む絶好のターゲットだと
思っているようである。

それはもちろんその通りであるが、
それが客に見え透いてしまうのは、
いかにもまずい。


ある時期、
あまりに電話によるセールスが重なったので、
さすがのわたしも立腹した。
そして、そこの販売店の所長に取り次いでもらい、

わたしは、
その、よく電話をかけてくる営業マンの
声も聞きたくなければ、
DMに押してある判子の名前も見たくない。

永くお世話になってきたが、
金輪際お付き合いさせていただくことはないだろう。

なぜ、
あなた方のお仲間がお作りになり、
あなた方がお売りになった車を、
あなた方に高いお金を出して修理しながら、
好き好んで乗っているのに、
応援してくれないのか。

わたしは、残念で悲しい。
と、関西弁で率直に申し上げた。



その後、
その販売店からセールスの電話がかかってくることは
無くなったが、
同時に整備工場も無くした。

さて、この先どうなることやら。


そんな心細い気持ちでギャロップに搭乗していたある日、
我がお好み焼き慈恩弘国に
一人の整備兵がやってきた。

いつもどこかしらにドクロを身につけたその男は、
アナベルガトーと名乗った。

戦時中は優秀なパイロットだったが、
当時のモビルスーツの知識を活用して、
今は機体の整備で食べているそうだ。


ちょうどギャロップの車検も近づいていたので、
アナベルガトーにお願いすることにした。

アナベルガトーは、
すばらしい仕事をしてみせた。
いままでの修理暦にも言及し、
修理の不備を指摘して改善してくれた。

おかげでわたしのギャロップは、
さらによく走るようになった。

今では、車両の整備に関しては
アナベルガトーに全幅の信頼を寄せている。


アナベルガトーは、
ハードロックをこよなく愛し、
裏家業で、
フィギュアの制作も手がけている。
もちろんプロとしてだ。

現在我が国に展示してある
ひときわ目をひく、本物みたいな旧ザクは、
彼の作品である。




昨日、仕入れの帰りに、
ギャロップの調子がおかしいことに気づいた。

アクセルを踏むとエンジンが咳き込むような不自然な回転をし、
アイドリングが安定しない。
ときおりエンストしそうになる。

以前ガンダムと交戦した際の古傷が
今になって悪化したのかもしれない。

仕入れた食材を店に置いて、
なんとか走行できるうちに、
アナベルガトーの修理工場へ向かった。

アナベルガトーは出払っていていなかったが、
お母さんが出てきてくれて、
代車を貸してくれた。


夜になって、
アナベルガトーが店に来てくれた。
不調の原因はわからないが、
記憶回路がやられていたら、
致命的かもしれない。という事だった。

ギャロップの記憶回路は古いものなので、
今となってはテムレイくらいしか作れない。
しかも、
当のテムレイの調子が一番安定しないので、
頼んだところでちゃんと作ってくれる保障はなく、
事実上、手に入らないものだという。

いよいよ、
わたしもギャロップを降りる時がきたのか。
そんな想いが心をよぎる。


そして今日、
アナベルガトーから通信が入った。
不調の原因は、
動力パイプから漏れたオイルが、
プラグへの電力の供給を妨害し、
発火を不安定にさせていた。ということだった。

おそらく、
ガンダムにビームジャベリンを投げつけられた時の損傷が
原因だろう。

幸い致命的な損傷は無く、
修理もすでに終わっているということだった。


さあ、こうしてはいられない。
すぐにギャロップを回収にむかわねば。

老兵は死なず。

ギャロップもわたしも、
もうしばらく
お役御免とはならないようだ。




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本日のクルー
店長:ランバラル大尉、
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☆★ジオン領拡大作戦進行中☆★
ジオン領宣言シール

お好み焼き慈恩弘国店舗にてお配りしております、
この「ジオン領宣言シール」を
あなたの所有物に貼って、
ジオンの地球侵略に手を貸そう!

ただし、他人のもの、公共のものには
決して貼らないでください。
連邦軍につけいる好機をあたえ、
戦局が不利になってしまいます。

自分のできる範囲で、
できるだけ人に迷惑をかけない独立闘争こそ、
我らの理想である。

ジーク・ジオン。
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2009/02/10 | 未分類 | コメント(0) | トラックバック(0) | page top↑
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