慈恩弘国営業日報0090224(散髪)
わたしの名はランバラル。
数知れぬ死線をくぐり抜けてきた
ジオン公国の元軍人だ。


宇宙世紀009 2月24日 雨のち曇り

先日雨の中、
我が国の近所をぶらぶらしていると、
小さなヘアーサロンを見つけた。

店の名前は、Bifrost(ビフロスト)。
http://homepage3.nifty.com/bifrost/

町家を利用したそのヘアーサロンは、
間口が3メートルほどで、

モダンすぎず、また古すぎず、
ほどよい加減のたたずまいの店だ。

興味本位に中を覗いてみると、
ガラスのドア越しに
店の主人が電話をしているのが見えた。


わたしはこの主人の顔を知っている。
氏は、我がお好み焼き慈恩弘国に、
時々帰国してくれる
熱心な国民だった。

熱心なのに、
時々しか帰国しないのは、
奥方様が、非常に無関心だからだということだった。

そのため、
奥方様が実家へ帰るなど、
留守のときを見計って、
息子さんと一緒に来てくれるのだった。

氏がヘアーサロンを経営していることは知っていた。
しかし、いくら場所を教えてもらっても、
わたしは、たどり着けたためしが無かった。


このところの忙しさで、
もう何ヶ月も散髪をしていない。
ちょうどよい機会なので、
わたしは、氏に頭を刈ってもらう事にした。


「やっと見つけましたよ。」

そういって店のドアを開けると、
「これはこれは、ようこそどうぞ奥へ。」
といって主人がむかえてくれた。


店のなかには、
犬がいた。

わたしは犬が大好きなので、
楽しい気持ちになった。

我が国では、
もしお客さまの皿に犬の毛が入ったりしたらと思うと、
恐くてとても飼えない

その点、
ここはヘアーサロンなのだ。
多少犬の毛が床に落ちてても、
それ以上に人間の毛が落ちてくるので、
問題ない訳である。

うらやましい稼業だ。


店には、女性の先客が一人いた。
女性は、別のスタッフに洗髪をしてもらっていた。

わたしもその隣の洗髪台へ案内された。

椅子が背中側に倒され、
仰向けで頭を洗ってもらった。

思えば、
わたしは散髪屋さんにしか行った事がなかったので、
こんな姿勢で頭を洗ってもらうのは初めての経験だ。
背筋がのびて、なんだか気持ちがいい。


洗髪が終わると、
鏡の前の席に案内された。

主人が、

「よく来てくださいました。
 どのようにいたしましょう。」

と聞いてきた。
わたしは、

「ランバラルで。」

とリクエストした。
主人は嬉しそうだった。

一般的にわたしのイメージといえば、
30年前の戦時中の姿だ。
遠くからやってくる同胞の為にも、
そのイメージを少しでも壊さない事は大切である。

ここから、主人とわたしの、
試行錯誤の楽しい散髪がはじまった。

「一年戦争の時は誰が散髪してくれてたのですか?」と、主人。

「クランプだ。あいつは見かけによらず手先が器用で、
 部隊の連中の頭は全部あいつが刈っていた。
 ハモンだけは嫌がっていたがな。」

「そうでしたか。」

「耳は出ていたと思うぞ。」

「いえ、このくらい長めで後ろへ流したら
 ちょうどよいと思います。
 ほら、こんな感じで。」

「おお。」


「後ろは、最初はこんな感じかと思います。」

「当時の写真を見ると、
 私の顔を前から見ても耳の下のあたりから、
 後ろの髪が出ていたと思うが。」

「おそらく戦場で頻繁に散髪できなかったので、
 のび放題になってたと思います。
 最初はこんな感じで整ってたはずですよ。
 ここはすぐのびてあんな感じになりますよ。」

「そうだったのか。
 クランプめ、ちゃんと仕事してやがったんだな。」

「ランバラルさんはくせ毛ですね。」

「そうなのだ。当時の髪型を再現するのは難しいかね。」

「いえ、このクセがあの独特のヘアースタイルの原因です。
 このクセを利用しないと、
 あんな感じのボリュームのあるオールバックには
 なりにくいのです。」

「オールバックといえば、
 散髪はクランプに任せていたので、
 わたしは当時どんな整髪料を使っていたのか覚えていない。
 あのヘアースタイルを形作っている整髪料はなんだと思うか。」

「オールバックですが、ボリュームがありますので、
 ポマードではないでしょう。
 おそらくジェルだと思います。
 硬さは、ミディアムかソフト。」

「そうなのか。実は自分でも再現してみようと思って
 いろいろためしたが、
 いつも硬めの整髪料を選んでいた。」

「あのスタイルは、硬めではだめです。
 しかも、頻繁に多く使っていたはずですので、
 ドンキホーテあたりで買った
 安い大きな容器のものだと思います。」

「そうだったのか。
 クランプめ、わしの頭のために、
 わざわざドンキまで行って安く済ませていたのか。
 おまえが部隊のお金を、
 そうやって節約してくれてたのに、
 わしはすぐに大盤振る舞いをしてしまった。
 申し訳なかったなぁ。」



「こんな感じでどうでしょう。」

「おおー。いいじゃないか。
 うむ。気に入りました。」


「2階でヘッドスパもやってますので、
 お時間のあるときにでもご利用ください。」

ヘッドスパ?
頭温泉?
なんだかわからないが、
このところの寒い時代に魅力的な感じがする。

「わかった。
 今度はハモンも連れてくるので、
 その時にはぜひ。」


ここの主人は話がわかる。
この調子なら、
ハマーン・カーンにしてくれ、とか
クワトロ・バジーナで。
などと希望を言えば、
どうにかしてくれそうだ。



そんないきさつで、
こんな頭になった。
どうだ。
少しは男前が上がったか。
090212散髪


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本日のクルー
店長:ランバラル大尉、
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お好み焼き「慈恩弘国」
http://www.ms-06zaku.com/

お好み焼き「慈恩弘国」コミュ(登録=国民)
http://mixi.jp/view_community.pl?id=2975500
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☆★ジオン領拡大作戦進行中☆★

ジオン領宣言シール


お好み焼き慈恩弘国店舗にてお配りしております、
この「ジオン領宣言シール」を
あなたの所有物に貼って、
ジオンの地球侵略に手を貸そう!

ただし、他人のもの、公共のものには
決して貼らないでください。
連邦軍につけいる好機をあたえ、
戦局が不利になってしまいます。

自分のできる範囲で、
できるだけ人に迷惑をかけない独立闘争こそ、
我らの理想である。

ジーク・ジオン。
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2009/02/27 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(3) | トラックバック(0) | page top↑
コメント
あっがた、あっがた!すご-くあがりましたよ!!!!!
2009/02/28 06:27 | URL | ぶたこ #- [編集] | page top↑
さすがはラル殿!
男前ですね。
作中のイメージも損なわず。
髪結い屋も上手いですよ!
2009/03/09 12:29 | URL | おしねこにゃ~ん! #- [編集] | page top↑
#ぶたこ さま

いつもありがとうございます。
この勢いで舞い上がり続けたいと思います。



#おしねこにゃ~ん! さま

最近戦闘不足で、
腹が出てまいりました。

こちらのほうは、
わたしがどうにかしなければなりますまい。

作中のイメージにはとてもかないませんが、
わたしなりの、
ランバ・ラルを目指して、
がんばりたいと思います。
2009/03/10 21:23 | URL | #- [編集] | page top↑
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