慈恩弘国営業日報0090718(ダボちゃんのお墓)
わたしの名はランバラル。
数知れぬ死線をくぐり抜けてきた
ジオン公国の元軍人だ。

宇宙世紀009年 7月 18日 晴れ


わたしはスペースノイドだが、
地球に68歳になる母がいる。

先日母から電話があった。
電話のむこうの母は意気消沈し、
悲しみにくれている様子であった。

電話の内容は、
ダボちゃんが死んだというものであった。

ダボちゃんは、
実家で2匹飼っているマルチーズのうちの一匹で、
15年と2ヶ月を生きた。

死因は老衰であった。

わたしの家では,
元来、犬が絶えたことがなかった。
いつも母がどこからともなく拾ってきて、
そのまま飼い犬にしていた。

拾ってくる犬は、たいてい捨て犬で、
気の毒な感じの子犬だった。

それがある時、
母が一匹のマルチーズを拾ってきた。

その真っ白で美しくフワフワとした毛並みの小さな犬は、
雑種の野良犬しか飼ったことのない家族にとって、
はじめて見るお上品なお犬様であった。

お犬様は、
見かけによらずというか、
見かけどうりというか、
アホ犬だったので、
パーちゃんと名づけられた。

以来、母はすっかりマルチーズの虜になってしまい。
ほどなく2匹目をペットショップで買い求めていた。

マルチーズはお高い犬だ。

母は、たまたま立ち寄ったペットショップのウィンドウにいたマルチーズが、
自分を呼んでいた。と言い訳をしていたが、
捨て犬のマルチーズを再び見つけるのは不可能に近いと考えたことは
見え透いていた。

この2匹目は、パーちゃんの次の犬なので、
ボギーと名づけられた。
小さな白いマルチーズが2匹並んでいると、
とてもかわいい絵になった。

やがてパーちゃんが死に、
その悲しみを埋めるように3匹目のマルチーズを買った。
それが、先日死んだダボちゃんである。

そしてボギーが死ぬと、
4匹目のマルチーズ、トボちゃんを買った。
これは、ボギーが死んであんまり悲しみにくれる母に、
わたしがインターネットのオークションで買ったものだった。

トボちゃんのブリーダーは、九州の方だったので、
トボちゃんは飛行機に乗ってやってきたお犬様だ。

そんな調子で、ここ20年ほどは、
我が家にはつねに2匹のマルチーズがいた。

現在我が家にいるマルチーズは、
4匹目のトボちゃんだけになってしまった。

5匹目を買おうかと母にすすめると、
自分が最後までめんどうみきれる自信が無いといい、
母はわたしの申し出を断った。

今日もひどい暑さである。
明日にもダボちゃんを埋葬してやらなければ、
ダボちゃんが腐ってしまう。


翌日、午後3時すぎにわたしは実家をたずねた。
そこには、すでに大阪に住んでいる次男の弟が来ていた。

自宅の居間のテーブルの上には、
ダンボール箱に丁寧にいれられたダボちゃんの遺体があった。
ダボちゃんのまわりには、
大好きなキュウリや、元気だったころよく遊んでいたおもちゃなどが
おかれていた。
また、それらの品と、ダボちゃんの体の間には、
隙間無く、たくさんのお花が添えられており、
ダボちゃんの箱のそばのお盆には献花用の花が盛ってあった。

母に聞くと、
昨晩は、さながらダボちゃんのお通夜だったようで、
よく遊びに来てくれる近所のおばあさん達が、
ダボちゃんにお別れを言いに、
来てくれてたそうだ。

ダボちゃんの箱を車に載せようとしていると、
その近所のおばあさんの一人が出てきて、

「もう遊びに来ても、あんたおらへんのかいな。」と、

涙を浮かべながらダボちゃんにお別れを言ってくれた。

母がおばあさんにお礼を言っていた。

ダボちゃんをわたしの車の後部座席に載せ、
ダボちゃんのとなりに母が乗り、助手席に弟が乗り、
わたしは車を発信させた。

ダボちゃんの埋葬に向かうわたしたちを、
おばあさんが一人、
ずっと見送ってくれた。


ダボちゃんは、父のお墓でお世話になっている、
お寺の墓地に埋めることになっていた。
そのお寺の墓地はちょうど寺の裏山で、その一区画には、
みんなが勝手に飼い猫や飼い犬を埋めている場所があり、
そこなら埋めてもいい。という承諾をもらっていた。

しかし、わたしたちはお寺には直行せず、
まず畑に向かった。
ダボちゃんのお墓に盛り土をするための土を調達するためだ。

我が家の畑は、谷あいで日当たりが悪い。
また、猿やイノシシに作物を真っ先に狙われる場所でもあった。
父ちゃんがおらんようになっちゃってからは、
ずっと、ほったらかしになっていた。

畑に到着すると、誰がやったのかその一部がきれいに整地されていた。

この畑は、母の母方の先祖の土地で、
200年以上前に開墾して手に入れた土地らしい。
しかし最近、その本家の血筋が絶えてしまい、
土地の所有権は、
わたしたちの知らないところで、
知らない人どうしが、
裁判で争っていると人づてに聞いた。

人の手が入った跡は、
どうやら裁判に決着がついた事をあらわしていた。

この畑には父ちゃんの思い出と、
父ちゃんの建てた小屋と農具があったが、
母は、畑の世話に来れない今となっては、
それらをあきらめる事を受け入れていた。

ただ、この畑の隅にある、
パーちゃんとボギーの墓だけは、
あきらめるわけにはいかない。

母はパーちゃんとボギーの骨を掘り起こして、
ダボちゃんと一緒にお寺のほうに埋めてやりたいと言い出した。

パーちゃんは、村一番の墓穴堀り名人といわれた
亡くなったじいちゃんが掘ったもので、
深さはゆうに1メートルを超えているという。

ボギーのほうは、父ちゃんが掘ったもので、
母の記憶によると深さは70センチだったらしい。

とりあえず今日のところは時間もないので、
ボギーを掘り出すことにした。

ボギーの墓の石をどけて、
つるはしで雑草ごと土を掘り起こす。
次に、ケンスコという先の尖ったスコップを土に突き刺し、
右足をのせ、左足をのせ、体重をかけ深く地面に差し込む、
そして柄を倒して、テコの原理で土を掘り起こす。

その動作を何度も繰り返した。

作業は弟と交代しながら進めた。

谷あいの畑にはすでに日差しはなかったが、
それでも夏の午後は暑く、
汗が滝のように流れた。

しばらく掘り進めると、
スコップでは土が掘り出せなくなった。
穴の直径に対して柄が長すぎて土をすくえないのだ。

ここからは手作業だ。

スコップで細かくした土を、
パーちゃんのお墓の、
水を入れるお椀でかき出した。

わたしが上半身を穴へ突っ込み、
お椀で土をかき出す。
弟がかき出した土を他所へやる。

もう深さはとっくに70センチを超えていた。

母がもう少しあっちちゃうか?こっちちゃうか?と指示を出す。
そして、父ちゃんがこの穴を掘っちゃった時は、
もう癌が見つかってたんやで。と漏らした。

この傍らの小屋を作った父ちゃんはすごい。
2本のロープから、きれいに網を編み上げた父ちゃんはすごい。
そして、病身でこの墓穴を掘った父ちゃんもすごい。

わたしははたしてボギーの骨にたどり着けるのか。
父の掘った深さまで到達できるのだろうか。

ボギーは、アメリカの国旗のタオルケットの下におるんや。
タキシードを着て、いっぱいのお菓子といっしょに
埋めたったんや。と母が言った。

赤土の層の中に、2センチほどの
黒い層があらわれた。
その中から、ガムテープの切れ端が出てきた。
続いて菓子の袋が出てきた。

母ちゃんが、これボギーのや。と叫ぶ。

わたしは、もっと深いところへ頭を突っ込み、
手を伸ばし、土の黒い部分を掘った。
もうシャツは、乾いたところが無いほど汗でぐっしょりと濡れ、
逆立ちをするような格好なので、
顔がうっ血しているのがわかった。

やがて掘り出した土の中から、
ボギーの下あごの骨が出てきた。

アメリカの国旗も、たくさんのお菓子も、ボギーも、
この2センチほどの黒い薄い層になっていたのだ。


わたしたちは、
ボギーの下あごの骨と、いくらかの土をバケツに入れて、
寺の墓地へ向かった。

墓地へ着くと、わたしたちは、
父ちゃんの墓のある、きれいに整地された区画とは反対の、
自然の山肌の残った場所へ向かった。

自然石と大木の根でできた、急な階段を登ったところあたりが、
みんなが勝手に動物を埋めている場所だ。

適当な場所を見つけて、
さっきまでの要領で再び墓穴を掘った。
この小高い山の斜面には、
まだ夕方の日差しが差し込んでいた。

わたしたちは、西日に焼かれ、無数のやぶ蚊に襲われながら、
ダボちゃんの墓を掘った。

やがて、太陽が遠くの山に沈むころ、
目標の深さに到達した。

このころ、母のちかくに住む、
三男で、末の弟が仕事を終えてやってきた。
弟は差し入れのジュースを買ってきた。

わたしたちは、
激しい蒸し暑さの中、
手や足に蚊をいっぱいくっつけながら、
弟の買ってきたジュースを飲んで一息ついた。

500ミリリットルのジュースがあっという間に
体の中に流し込まれた。
090709ダボ01


作業再開。

母のこだわりで、墓穴の底は、
水平にする必要があった。

そのため母は、水準器を持ってきていた。
足で底を踏み固めて、
わたしは墓穴の底を平らに、そして水平に仕上げた。

そして、ダボちゃんとボギーの骨の入ったダンボールを、
ゆっくりとその中へおろして、
みんなで土をかけてやった。

土をかけながら母が、

「ボギーとダボちゃんは仲がよかったんや。
 いっつも相撲をとってたんや。
 これでまた相撲がとれるわ。」と話した。

穴を完全に埋めたあと、
さらに畑から持ってきた土を盛り、
その上に墓石を置いた。
090709090709ダボ02




わたしたちは線香を供えて、
今は土の中のダボちゃんに、

手を合わせた。




080813ダボトボ

左上がトボちゃん
右下がダボちゃん



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本日のクルー
店長:ランバラル大尉

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弘法さんの日特別営業。
「今回もカレー屋さんだ!」
2009年7月21日(火)
朝10時ごろから、夕方3時ごろまで、
弘法さんの日特別営業をします。
屋台感覚でジュースやカレーを販売します。
カレーは量産型ザクカレーの予定。
(グリーンカレー、辛いです。)

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祇園祭の次は慈恩祭だ!

7月24日(金)宵々々山
7月25日(土)宵々山
7月26日(日)宵山

7月27日(月)慈恩山鉾巡行
※18:00開店、22:30ラストオーダー、23:00閉店

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(ΩДΩ)同情するなら仕事くれ。

オリジナル名刺、キャラクター、商業マンガ、パンフレット、DTPから
撮影、アフレコ、フラッシュアニメーション、3Dアニメーション使用の
オリジナルプロモーションムービーまで、グラフィック表現ならなんでも。
ランバラルとフラウボウ5号が、
生活をかけてお応えいたします。
→スタジオキャスト(お好み焼き慈恩弘国3F)
〒601-8449 京都市南区西九条大国町3
TEL.075-693-9092 FAX.075-693-9093
e-mail:info@ms-06zaku.com

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わたしが参加しているパフォーマンス集団
GENESIS ART COMPANY の初公演

STAND ALONE COMPLEX vol 1
HEDGEHOG’S DILEMMA
(僕に話しかけないで 僕に触れないで 僕を独りにしないで)の様子。
  ↓
http://www.youtube.com/watch?v=hpbBpy5-OLs&feature=channel

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フラウボウ2号&ランバラルによる楽曲
「HAKENKREUZ」
作詞・作曲 : ランバラル
歌 : フラウボウ2号&ランバラル
http://www.youtube.com/watch?v=HxMW-MW66NU&feature=channel

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☆★ジオン領拡大作戦進行中☆★
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ジオン領宣言シール


お好み焼き慈恩弘国店舗にてお配りしております、
この「ジオン領宣言シール」を
あなたの所有物に貼って、
ジオンの地球侵略に手を貸そう!

ただし、他人のもの、公共のものには
決して貼らないでください。
連邦軍につけいる好機をあたえ、
戦局が不利になってしまいます。

自分のできる範囲で、
できるだけ人に迷惑をかけない独立闘争こそ、
我らの理想である。

ジーク・ジオン。
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お好み焼き「慈恩弘国」
http://www.ms-06zaku.com/

お好み焼き「慈恩弘国」コミュ(登録=国民)
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2009/07/18 | 慈恩弘国営業日報 | コメント(16) | トラックバック(0) | page top↑
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