庭球にかける青春4
050427

みなさま、こんにちわ。

エナジー中野でございます。



善人づらの卑怯者といわれた、
わたくし中野の必殺技は、

「中野サーブ」でございました。


これは、先述しました、

朝夕の家の前の資材置き場で行った
秘密の特訓の結果、会得した技でございます。


もともと球技に暗いわたくしは、
ラリーの末、打ち勝つという事は考えられない事でございました。

そんなわたくしが勝機を見い出す方法は、たったひとつ。


試合の始めのジャンケンに勝ってサーブ権を取り、
相手に絶対とれないサーブを放ち続けて勝つという戦法でございます。

この作戦ですと、
技量と裁量が必要なラリーはしなくて済みますし、
足の遅いわたくしが、
ボールを追ってあちこち走り回らなくても
済むのでございます。



その中野サーブというのは、
ボールを頭上に上げて、
普通に力一杯サーブを打つのでございます。

まったく強力なボールが放たれると誰もが思う
フォームとスィングなので、

レシーブする側は、
身構えて深めの位置に構えるのでございますが、

大きな音で放たれたボールは、
思ったより、ゆっくりなのでございます。

そして、ボールはややカーブを描きながら着地。

しかし、ボールは着地したまま、
ほとんどはずまず、
そのまま転がってゆくのでございます。


ボールがはずまない。


ボールがはずまなければ打ち返される事もございますまい。
これ以上の必殺技がございましょうか。


わたくしがテニスが下手な訳は、
グリップの甘さと、打面のおかしさが原因でございました。

本来ボールを打撃する瞬間にグリップをにぎり、
力を伝達するのですが、
わたくしは、どうやらボールを打った後ににぎっているようなのでございます。
つまり、ふわふわした状態でボールを放っているのでございます。

また、あの8角形のラケットをにぎりますと、
わたくしはどうしても打面が上を向いてしまうくせがございました。

わたくしは苦心のすえ、
これらの問題を克服することなく、
最大限生かした技をあみ出したのでございました。


中野サーブとは、
いいかげんににぎったラケットで、
ななめに向いた打面を生かして、ななめに振り抜き、
ボールに極端な回転を加える技でございました。

放たれたボールは、
目視できるくらい横長に変型するのでございます。

揚力のような力が発生し、
最初はなかなかサービスエリアに入らなかったのですが、
特訓の末、立ち位置と身体の向きで調整できる事を悟り、

ついにこの魔球を意のままに操る事ができたのでございます。


とはいえ、すぐに相手も学習し、
立ち位置を浅めにし、対応してくるのですが、

この魔球の恐ろしい点は、

慎重に打ち返そうといたしますと、
打った瞬間ボールが左にそれ、
サイドアウトしてしまうのでございます。

それくらい猛烈な回転をしていたのでございます。

ボールの回転の影響を受けないくらい強めに返球しましても、
バウンドの高さがありませんので、
ネットにひっかかるか、
バックアウトでございます。


よしんばうまく返球されましても、
必ずわたくしの右寄りにしか返球されませんから、

わたくしのしもべの前衛の餌食になるか、
楽なフォアハンドで、返球できるのでございます。


しかも、この頃になりますと、

辺境のCコートで、
先生にまったく指導されず、
ほったらかしで勝手に進化した
わたくしのテニスは、

すっかり独自のスタイルを確立しており、
あらゆる打球に、
なにかしらの変化が発生していたのでございます。


硬式のテニスでも、
打球に回転を加えるカット打法はございますが、
軟式テニスでつかう庭球は、
ふわふわのゴムボールでございますので、

その効果は絶大でございます。


それゆえ、
「おまえと打ち合ったら、こっちまで下手になる」と

ハイソサエティーなAコートの連中からは
忌み嫌われたのでございます。


いいさか君や、かねこ君も、
多かれ少なかれ、そのような待遇をうけ、
セコキントリオはますます孤立を深めていったのですが、

当のわたくしたちは、
真面目に練習するAコートの連中をよそに、
4つ葉のクローバーを探したり、

コートの端に穴を掘って、
ラケットでゴルフをしたりしながら、

楽しく暮らしていたのでございました。



そんな、晩秋のある日。

3年生がおおかた引退してしまい、
選手の出場枠に空きができたというので、
わたくしたちに公式戦への参戦が、

いいわたされたのでございました。


2005/04/27 | 庭球にかける青春 | コメント(4) | トラックバック(0) | page top↑
コメント
ぜひ続きを!!
2008/05/10 14:16 | URL | かいととと #- [編集] | page top↑
# かいととと さま

ありがとうございます。
それではアップさせていただきます。

お楽しみいただけましたら、
幸いです。
2008/05/16 00:08 | URL | ランバラル #- [編集] | page top↑
このコメントは管理者の承認待ちです
2011/01/04 01:14 | | # [編集] | page top↑
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