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【衝撃屋】第7話 幻想・猫の衝撃屋(後編)
そのとき奥の扉から、ちょうどピスタチオと同じ年頃の美しい姫猫が現れました。

「騒がしいですね」
「うわぁ、ヘーゼル姫」

それはマーカンダミア王の一人娘のヘーゼル姫でした。
姫はたいへん可愛らしく、そのうえ慈悲深く、
マーカンダミアのみんなに好かれているお姫様猫でした。

「あなた方お名前は?」
「僕はピスタチオ、そしてこのおじさんは衝撃屋さん」
「はじめまして衝撃屋でございます。お目にかかれて光栄に存じます」

姫は小さく足を折って可愛らしく挨拶をすると会話を続けました。

「先程からお父様が大慌てで戦争の準備をしてますが、犬が攻めてくるって本当ですか?」

「はい。もうすぐそばまで来ています。ほら、あの西の方角の土煙がそうです。」
「まあ、大変。それでわたしたちどうすればよいのでしょう」

「僕と衝撃屋のおじさんが戦うよ」
「ええっ!?」

初耳の自分の運命に驚く衝撃屋猫。

「僕とおじさんで。このマーカンダミアと姫を守ってみせます」

ピスタチオの勇敢な言葉。愛国心に燃える瞳。

「いや、お願いですから、わたくしは、おいとまさせてくださいませんか・・・」

逃げ腰な衝撃屋猫の思いは、
愛国心に目覚めた若者と勇敢な言葉に感動した姫には届かず
ヘーゼル姫とピスタチオは見つめあい犬の軍団との戦いを決意しました。

「ピスタチオ、この国の大人たちはすっかり怠けてしまって誰も頼りにはなりません。
わたくしも戦います。ともにこのマーカンダミアを守りましょう」
「ヘーゼル姫」

固く手を取り合う二人。気乗りしない衝撃屋猫。
その時、何十年かぶりにマーカンダミア全土に緊急事態を告げるサイレンが鳴り響きました。

ウ~~~ウ~ウ~ッ、ウ~~~ウ~ウ~ッ、ウ~~~ウ~ウ~ッ・・・

しかし、このサイレンが何を意味するものなのか、
マーカンダミアの猫たちは誰もわかりません。
皆、ぽかんとスピーカーの方を眺めています。

サイレンに続き、マーカンダミア王が話しかけました。

「マーカンダミアの全ての猫のみなさん、わたしはマーカンダミアの王、マーカンダミア16世である。
原因はわかりませんが、海が突然無くなり、西の大陸から犬の大軍がこのマーカンダミアに向かっています。
このままではわたしたちは攻め滅ぼされるでしょう。
今すぐ居眠りを止めて武器をとって戦いの準備をしてください。
繰り返します。犬が攻めてきます。武器をとって戦いの準備をしてください」

この放送を聴いて、いつもぼんやりしていたマーカンダミアの猫たちはびっくりして目を丸くしました。
ある猫は逃げ場を求めて走り回り、
ある猫はその場に固まって動かなくなりました。

こんなことは初めてです。
でも確かに目の前の海は消えています。
これは本当の事なのです。
農家の猫はクワを、レストランの猫は包丁を持って、
それぞれの家に立てこもり犬の襲撃に備えました。

犬の軍団が近くまで迫っている事は、
家の中にいても、すぐにマーカンダミアの全ての猫が感じました。
犬の軍団の足音が、まるで地震のような地響きとなって聞こえてきたからです。


そしてついに戦いは始まりました。
最初に攻撃をしかけたのはマーカンダミアの猫軍でした。
西の海岸線を守っていたマーカンダミアの軍隊が、
迫って来た犬軍の第一陣に矢を射掛けたのです。

しかし、ほとんどの兵士が生まれて初めて弓矢を使った者ばかりだったので
要領がわからず全然届きません。
どうにか矢の届くところまで敵が近づいて来たと思ったら、
突然背後の森から犬の大軍に襲われました。
犬軍は、軍団をいくつかに分けて、猫軍を挟み撃ちにしたのです。

海岸線を守っていた猫軍は壊滅してしまいました。

その様子は王宮からも見えました。
見えていましたが伝令がうまく伝わらず猫軍の指揮はバラバラです。

続いて、犬軍の本隊がいよいよマーカンダミアの西海岸に上陸してきました。
先行した犬軍の幾つかの部隊は森の中などを隠れてうまく進み、
王宮からは動きがよく見えません。
街から離れたあちこちの村に火の手が上がっています。
森の中から突然襲ってくる犬の軍団に、
小さな村は、なすすべもありませんでした。

ついさっきまで王様も将軍も大臣も兵士も、みんな居眠りしていた王宮は、
いまや蜂の巣をつついたような騒ぎです。
見晴らしのよい王宮の玉座の間が猫軍の司令本部になりました。
悪化する事態を目の当たりにしながら、皆大声で軍議を凝らしています。

ある将軍が言いました。

「今朝から無風だったが昼ごろから強い東風が吹き始めた。王宮の西側のすそ野の森に火をつけて、
森ごと犬軍を焼き払いましょう」

しかしマーカンダミア王は首を縦にはふりません。
それで森の中の犬軍を焼き殺しても、国の半分が燃えてしまいます。
するとマーカンダミアの西側に住んでいる猫もみんな焼け死んでしまうからです。
そして何より西海岸に上陸した犬軍の本隊にはたいして影響が無さそうだからです。

別の将軍が言いました。

「いくら海の水が無くなっても砂漠のような砂の上では軍隊は速やかに移動できません。
犬軍の本隊が西海岸から海岸沿いの一本道を通ってマーカンダミアの街に向かって進行しています。
森の中からこの一本道をやってくる敵を攻撃して入城を食い止めましょう」

その作戦はさっそく実行されました。
王宮の猫軍本隊から出撃した一本道攻撃部隊は、
海岸の一本道が見下ろせる森の中に陣を構えました。
しかし、いつまでたっても犬軍はやってきませんでした。

これは、犬軍の罠だったのです。
猫軍がこの場所で襲ってくることは、犬軍に予想されていました。
森の中はすでに犬軍の支配下になっており、
犬軍は、一本道を通る犬軍が襲える絶好の場所を、猫軍のためにわざと空けておいたのです。
息を殺し犬軍がやってくるのを待ち伏せしている猫軍の背後の森に犬軍は火を付けました。
おりからの東風に煽られ、たちまち猫軍は森から焼け出されました。
隠れるところを失った猫軍は西からやってきた犬軍の本隊に襲われ、
これもあえなく壊滅してしまいました。

犬軍はほとんど損害を受けることなく、確実に猫の正規軍の数を削っていきました。

作戦指令本部に絶望的な空気が流れました。

ピスタチオとヘーゼル姫と衝撃屋猫は玉座の間の隅でその様子を見ていました。
ピスタチオとヘーゼル姫は、大人たちが必死に戦っているのを見て、
自分たちに出来ることはじゃまにならない事くらいだと感じたからです。

衝撃屋猫がピスタチオにちょっと得意げに言いました。

「どうです、わたくしの衝撃は。もう誰も退屈してませんねぇ」
「そうだけど、これじゃああんまりだよ、ひどいよ、これおじさんのせい?それとも僕のせい?」

「とんでもございません。わたくしどものお届けする衝撃は、
高い確率で実行される事実を、お早い目にご報告申し上げたにすぎません
その情報をどのようにご活用されるのかは、お買い求めいただいたお客様しだいでございます」

その会話を聞いていたヘーゼル姫が口を挟みました。

「ちょっと待ってピスタチオ、犬軍が攻めてくるのってこの衝撃屋さんから買った情報なの?」
「そうだよ」
「おじさん、何者なの?」
「わたくしは衝撃屋でございます。いただいたお金の額に応じた衝撃的な情報をお売りするのが、わたくしの仕事」

「おじさんちょっと来て!」
「えっ?ちょっ、ちょっと、そんなに引っ張らないでー!」
「お父様ー!お父様ー!」

ヘーゼル姫は衝撃屋猫の服の袖をひっぱって、
衝撃屋猫を大臣や将軍に囲まれている父王の所へ連れて行きました。
そして、マーカンダミア王とヘーゼル姫と衝撃屋猫の3人だけがその人だかりから抜け出し
なにやら話し始めました。

やがて王様は決心したように、
しっかりした足取りで少し高くなった玉座の壇に上り、
その場にいる臣下を見下ろしました。
大臣や将軍たちも軍議を止め王様に注目しました。

騒がしかった王宮が静寂に包まれ、
かすかに聞こえてくるのは、ここからはまだ遠くで行われている戦いの音。

そしてヘーゼル姫がマイクを持って来て父王に渡しました。
マイクは国中のスピーカーに繋がっていました。
マーカンダミア王はマイクを握ると、
目の前の臣下とマーカンダミアの全ての猫にむかって演説をはじめたのです。


「マーカンダミアの全ての猫に告げる。わたしはマーカンダミア王である。
みなさんもご存知のとおり我々は今犬の攻撃を受けている。
平和と安寧の日々の中で、爪を研ぐことを怠り続けた我々は、あまりにも脆弱であると言わざるを得ない。
我々猫が思いつくいかなる戦略も、どうやら百戦錬磨の犬軍には通用しないようだ。
ここに至っては、我がマーカンダミアの猫が全滅する事は、もはや時間の問題である。
この事実は甘んじて受け入れなければならない。
しかし、全滅が運命ならば、せめて我々猫の誇りを、大陸の犬どもに見せつけてやろうではないか」

マーカンダミア中の猫が息を殺し、
この放送に耳を傾けました。

「誇り高きマーカンダミアの猫の諸君。
すぐに王宮に集まってくれ。
たとえ負けると解っていても、最後まで力を合わせて戦おう。
王宮に集まってくれ。
大人も子供も年寄りも、みんな王宮へ集まってくれ。
我々は家族だ。誰一人欠けてはならない。
マーカンダミアの国民全員王宮に集まってくれ。
ここで最後まで力を合わせて戦おう!
勇気を出せ、爪を出せ、毛を逆立てよ!
マーカンダミアの猫の誇りを犬どもの体に刻み付けてやるのだー!
王の名において命令する、すぐに王宮に集まるのだー!」


マーカンダミア王の演説は終了しました。
マーカンダミアの猫たちにはもう、
満足な軍隊も武器も作戦もありませんでした。
猫の誇りと爪だけが残された最後の武器だったのです。

臣下たちは王様の演説に拍手を送りました。
拍手をしながら死を覚悟して泣きました。

「皆の者どうじゃ、名付けて、窮鼠猫を噛む作戦じゃ。
これからが大変じゃぞ、日ごろの運動不足を呪うがいい」

「王様だって」

大臣の一人が言いました。

「そーじゃな、そーじゃ、ははははははは」
「ははははははは」

王宮が笑い声に包まれました。
その様子をずっとぽかんと見つめていたピスタチオのところに
ヘーゼル姫がニコニコして走ってきました。

「さあピスタチオ、さっきの約束を実行してね。
一緒に戦いましょう」

「ああ」

「衝撃屋さん、あなたはどうなさいます?逃げますか?それとも犬に降参されます?」
「とんでもございません。こうなった以上ご一緒させてくださいませ」

「ふふ、ピスタチオ、衝撃屋さん、今からが大忙しよ」


この放送は犬軍も聴いていました。
この国の猫が一箇所に集まる事はかえって犬軍にとって好都合でした。
最新鋭の武装をした犬軍にとって猫の誇りや爪など、
まったく恐れるに足らないものだったからです。
犬軍はわざと進撃の速度を緩めたり、追い立てたりしながら、
猫が王宮に集まりやすくしました。

王宮に閉じ込めて降参させるもよし、
そのまま王宮ごと焼き殺してしまうもよしと考えたのです。

そして日も傾き始めた頃、
犬軍はついに王宮を取り囲みました。

犬軍の将軍が中の猫にむかって叫びました。


「降参すれば命だけは助けてやる。お前たちの王様とその家族を差し出せ」


しかし中からは何も返事がありません。
猫たちは、息を殺して犬軍が城壁を乗り越えてくるのを待ち構えているようです。
不気味な静寂があたりを支配しています。

「もう一度だけ言う、お前たちの王様と王様の家族を差し出せば、
マーカンダミアの全ての猫の命は保障する。今すぐ差し出せ。
さもなくば全員焼き殺す」

なんの返事もありません。
もしかしたら中で相談しているのかもしれません。
犬軍は30分ほど返事を待ちました。

日は沈みあたりがだんだん暗くなってきました。
夜になると、夜目が利く猫のほうが戦闘は断然有利になってしまいます。
犬軍の将軍は決断をしました。

「城門を破壊しろ、全員突撃!」

「うおおおおおおん、うおおおおおおん」

犬の軍団が大木を抱えて王宮の城門に突撃しました。

ドシーン、ドシーン、ドカーーーン!

3回目の突撃で猫の王宮の城門は破壊され、
そこから犬の軍団が一気になだれ込んできました。
犬の軍団は庭を駆け抜け、王宮に侵入し、
階下へ、階上へ、そして中庭へ、まるで激流の川のように王宮の隅々まで入り込んでいきました。

犬の軍団の将軍も、最後に悠々と王宮の庭に入ってきました。
そして王宮を見上げました。
日が落ちて赤紫色に染まった空に、王宮の塔が静かに不気味にそびえ建っていました。
将軍は、すぐに異変に気づきました。
それと同時に王宮内部に突撃していった、あちこちの隊から伝令が来ました。

「将軍、猫がどこにもいません」
「将軍、王宮には誰もいません」
「将軍、北の塔にも誰もいません」

将軍は焦りました。
「気をつけろ、隠れているのかもしれない。地下だ、地下を探せ、慎重にな」

「将軍、地下に向かった部隊から連絡です。地下にも誰もいないそうです」

「しまった罠か!全員退却、ひとまずこの場を離れろー!」

その時、塔の上に上った犬の兵士が東の方角を指差し叫びました。

「将軍、あれを見てください!」

その声を聞いて、犬の将軍は兵士の指差す方向に目を向けました。
将軍の目に飛び込んできたのは、小高い岬に立つ一本の大木でした。
よく見るとその木の枝に、猫が鈴生りにしがみついています。

「なんだありゃあ?」

そのおかしな光景を目の当たりにして、
将軍は思わずそう言うしかありませんでした。
犬軍の副官が将軍にささやきました。

「よくわかりませんが、この国中の猫があの木に登っているようですね」

マーカンダミア中の猫が登っている木は、
マーカンダミアの東の岬に立つ、あの千年猫柳の木でした。

ピスタチオもピスタチオのお母さんも妹も、金魚屋の親方も、
王様もヘーゼル姫も、もちろん衝撃屋猫も、
みんな登っていました。
そしてその高い場所から、犬の軍団をじっと見下ろしています。
将軍はわけもわからず、馬鹿にされたようで無性に腹が立ってきました。

「全員集合、目標東の大木、猫どもが木の上に逃げた。取り囲んで燃やしてしまえー!」

将軍の号令一下、犬の軍団は千年猫柳目指して突撃を開始しました。
怒り狂った犬の大軍が森の中を突き進み、ものすごい地響きです。
しかしその時、一陣の突風が吹き、犬の軍団の地響きよりももっと大きな地響きが起こりました。
音は東の地平線の彼方から聞こえてきました。

地平線の彼方に波頭が見えます。
なんと、干上がった海が帰ってきたのです。
それはまるで津波のようでした。

「戻れー戻れー!」

犬の将軍は全軍に丘の上の王宮に戻るよう命令しました。
大急ぎで丘の上の王宮へ引き返す犬の軍団。
大波はあっという間に迫ってきました。
兵士も将軍も関係ありません。
みんな自分が助かりたくて押しのけ合いながら丘を登ってゆきます。

しかし、溢れた海の水は、犬達のいる丘の斜面を一気にかけ登ってきたかと思うと、
逃げる犬達を追い越し、次々と飲み込んでいきました。

王宮までなんとか逃げ延びた者もいましたが、
大波の勢いは想像以上で、
結局、全ての犬は王宮ごと、その大波にすっぽり飲み込まれてしまいました。


千年猫柳に登っていた猫たちはというと、
ちょうど岬が船の舳先のような役割をして波を二つに分けてくれたので、
誰一人波に飲まれる者はいませんでした。

そして島中を飲み込んだ波が引きはじめると、
家や木やいろんな物と一緒に犬の軍団も流されてきました。
助けを求めて、たくさんの犬が千年猫柳の木にしがみつきましたが、
犬の爪は木を登るようにはできていません。
一匹残らず、波と一緒に沖へ流されてしまいました。

大きな波はその後何度もマーカンダミアを襲いました。
猫たちは千年猫柳の木の上で夜空を見上げて夜を過ごしました。
今日は新月。夜空には満天の星が輝いていました。


朝になりました。
街も村も家も流されてめちゃめちゃになってしまいましたが、
そんな事はおかまいなしに、マーカンダミアの空は輝いています。

昼頃になると貝の道が消えるというので、
衝撃屋猫は帰ることになりました。
今度会えるのはまた88年後です。

ピスタチオとヘーゼル姫と王様が衝撃屋猫を見送りに
あの、貝の道のついた海岸まで一緒にやってきました。
真っ青な空、すこし緑がかった青い海、まっ白な砂浜。
水平線の彼方に大きな白い入道雲。
貝の道はまだ、海岸の砂浜から沖のアーモン島のほうまで続いています。
衝撃屋猫は貝の道に乗り、振り返ると、
見送りに来てくれた3人に向かって誇らしげに言いました。

「どうです、わたくしのお売りする衝撃は、たいしたものでしょう
災難だって考えようによっては利用できるんです
名付けて、災い転じて福となす作戦でございましたね」

「それを考えたのは私よ」

ヘーゼル姫が笑いながら言いました。
そして王様も衝撃屋猫に言葉をかけました。

「しかし衝撃屋さん、おかげで少し目が覚めましたよ
これからは昼寝の時間を減らして、もう少しちゃんと過ごします」

「ふふふふ、王様のお爺様も、そんな事おっしゃってましたよ。
それでは、あ、そうそう、
ピスタチオ君、これはルビー金魚のお釣りです」

「お釣り?」

「ええ、実はあのルビー金魚は200万にゃんはする代物です。
だからこれはお釣りです」

そう言うと衝撃屋猫は背広のポケットから大きなルビーをひとつ取り出して
ピスタチオに差し出しました。

「そんなの受け取れないよ。やっぱりあれは普通の金魚だよ」

「いいえピスタチオ君、この世の中に普通のものなんて何一つないんですよ、みんな特別なんです。
君が毎日がんばってたから、わたくしは君のことをずっと見てました。
王様やヘーゼル姫やマーカンダミアのみなさんががんばったから、この国は守られた。
がんばった人は、その人のおかげで幸せになった人から、特別にご褒美がもらえるのです。
わたくしは今、とても幸せな気持ちです。だから受け取ってくださいませ」


「ありがとう、とても大きなルビーだね」

そのルビーを見て、ヘーゼル姫が言いました。

「ふふ、それはマーカンダミアの姫が結婚式の時につける宝石よ」

「えっ?じゃあこのルビーはヘーゼル姫の?」

「だって、衝撃屋さんから買った、
千年猫柳以外、マーカンダミアは全て海に沈むって衝撃。けっこう高かったのよ。
王室の宝石、いっぱい持ってかれたわ。
でもいいの。
マーカンダミアを守ることができたんですもの。
宝石はまた集めればいいのよ」


「それでは皆様さようなら、そろそろお別れの時間がやってまいりました」


衝撃屋猫がお別れをいいました。

「さようなら」
「さようなら」
「さようなら」

みんなもお別れを言いました。
そして衝撃屋猫は、貝の道を沖に向かって歩いてゆきました。
来た時と同じように、背中をまるめ、ゆっくりと。
でも不思議なことに、衝撃屋猫はゆっくり歩いているのに、
みるみる遠くなってゆきました。
そして貝の道もだんだん薄くなって、やがて衝撃屋猫といっしょに
消えてなくなりました。



「さようなら衝撃屋のおじさん」



人が猫にされてしまったのか、
猫が人になったのか、
そんな世界がございました。



おしまい。(=・ェ・=)



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営業時間/18:00開店、22:30ラストオーダー、23:00閉店

04日(金)、05日(土)、06日(日)
11日(金)、12日(土)、13日(日)
18日(金)、19日(土)、20日(日)
25日(金)、26日(土)、27日(日)

★27日は月に一度の昼営業をします。
料理:2月の昼営業で好評だった「親子ドムぶり」のみ。
時間:朝10時~昼2時まで
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2011/03/01 | 衝撃屋 | コメント(25) | トラックバック(0) | page top↑
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2011/03/03 17:28 | | # [編集] | page top↑
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2011/03/06 04:51 | | # [編集] | page top↑
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2011/03/07 08:25 | | # [編集] | page top↑
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